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JAの活動:米価高騰 今こそ果たす農協の役割を考える

【特別座談会】米は食の源 基本は国消国産(2)2025年11月4日

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米価高騰が続くなか、米の需給の安定とともに、水田農業政策の見直しが今後農政の大きな焦点になっていく。現状をどう見てJAグループはどのような役割を果たしていくべきか、地域農業の持続的な振興策、消費者との連携、次世代のための「食農教育」などをテーマにJA茨城県中央会会長でJA全農副会長の八木岡努氏、東京農業大学副学長の上岡美保氏、文芸アナリストの大金義昭氏の3氏が議論した。

東京農業大学副学長 上岡 美保氏東京農業大学副学長 上岡 美保氏

大金 上岡さん、米価については?

上岡 5kg4000円台で高止まりしていますが、ちょっと楽観論を言えば、今回、米が足りないとなったことで、ないから買いたい、食べたい、もっと食べたいという消費者が少しでも増えたらいいなと思います。今、一人年間50kgそこそこしか食べていませんが、それをやはり私たちは米を食べたいね、ということに気づいていく。ですから、需要の動向についてはもう少し様子を見た方がいいかなとも思います。

価格としては5kg3000円程度に落ち着けば再生産可能な価格としてもいいのではないかと思いますが、メディアもセンセーショナルに価格が上がった、下がったではなく、なぜ上がったのか、なぜ下がったのかという報道も必要で、主食の米は単なる消費財ではないことを踏まえた発信が必要です。

八木岡 私たちは高ければいいと考えているわけではありません。適正価格や値ごろ感というのが大事で、例えば60kg2万5000円程度であれば、5kg3500円になります。

それから米価も一つではなくブランド米、ブレンド米など特徴が分かるような表示をしてどういう米なのかを説明し、価格帯も何段階かあるというやり方も需要に応じるということだと思います。こういった、さまざまな選択肢を持つ米を提供していくのもJAの使命です。価格に関しては、備蓄米の今後の買い戻しをどの程度の量をどのタイミングで行うかということも考える必要があると思いますね。

大金 米の民間輸入も増えている!

八木岡 一粒たりとも入れないというわけにはいきませんが、米価高騰で確実に輸入米を増やしてしまった。とくに業務用ではこれでも大丈夫だという例をつくってしまいました。国産米とブレンドされていることもあります。

ただ先ほども話したように、主食用でもブランド米やブレンド米、業務用米などのすみ分けや、さらには加工用米や米粉用米、飼料用米などをどう考えていくのかということもあります。今の国内生産力のなかできちんと用途別に仕向けていき、それでも不足するから輸入米を使うというのなら、それは仕方がないと思います。

しかし、値段が安いからという理由だけで外国産を使うというのはいかがなものか。お酒やお菓子にしてもそれはやはり文化ですから、外米で出来るという話ではありません。「国消国産」が大事だと思います。

大金 「増産」にかじを切るとかいう政府の動きもありますが?

八木岡 「増産」といっても加工米や飼料用米から主食用への転換が多く、全体の農地面積は変わっていません。むしろ減っているくらいです。主食用に転換してしまうと、米で育ててブランド化した豚や牛に飼料用米などが供給できなくなっていきます。それにミニマムアクセス米を使ってはどうかという話もありますが、国産の飼料用米を使っているからこそ消費者の支持が得られているわけです。

さらに政府が現在打ち出している施策は、農地集約による大規模化やスマート農業の導入、そして輸出です。いずれも好条件で農業が出来る地域や農業者に集中投資するということですが、中山間地域を含めて米生産をしてきたからこそ、これまで全体量を賄えてきたと思います。

ですから、ゆくゆくは集約化や規模拡大が今以上に進んでいったとしても、中山間地域も含めた生産をきちんと維持していかないと、米以上に他の農畜産物が一気に減っていくことにもなりかねない。飼料用米だけでなく麦や大豆、酒米の生産も問題になっています。さらに種子の確保も課題です。茨城県の場合でいえば、米の種子生産が大きく減ってしまっています。主食用のほうが高いので、そっちに転換したり、高齢化や設備更新ができないために廃業したりしているのが原因です。

農地を集約して大規模化することも必要ですが、種子の生産など相当な技術や時間のかかる生産も必要だということです。「原原種」があり「原種」があって種子がとれるわけですからね!

風土や景観 生活に直結

上岡 八木岡さんのお話の通り、主食用米を増やすことは大事ですが、その他の農畜産物にも大きな影響があるということは、結果的に消費者にも波及的に影響があるということだと思います。今日ももち米が高騰しているというニュースを見ました。お正月に向けて消費者に影響があります。また、地域でつくった酒米でお酒をつくるといった「テロワール」(風土や土地の個性)の取り組みもありますが、それが足りなくなると地域での取り組みにも影響します。

そう考えると危機感といいますか、単に主食のことだけを考えていてはダメだということを改めて感じます。同時に先ほど「多面的機能」の話をしましたが、景観の維持や防災という観点からも棚田をどう守っていくか。小さな農家や中山間地域の農家も私たちのお米を支えてきたんだというお話でした。そこには手間がかかりますが、その手間が大きな付加価値かもしれませんね。

日本は少子高齢化で需要がないから海外へ輸出を、というのも一理あるとは思いますが、これだけ自給率が低いわけですから、やはり日本で出来たものがすべて正当な価格で、日本国内で売れてしまえば何ら問題がないと思います。再生産可能になれば後継者も出てくるのではないでしょうか。

八木岡 条件のいい地域での大規模化にも限界があります。農家は適正規模に合わせた機械を持っていますが、最近では他の人の分を受託する農家が増え、そうなると刈り取り時期が重なるために、より高速のコンバインなどの農機具が必要になります。しかも刈り取ったら、その日のうちに乾燥機に入れる必要がある。

ですからJAの共同利用施設やライスセンターなどの役割が重要になってきます。また安定生産につなげるために、育苗や安心できる種子の供給などJAグループは今まで以上の役割を担っていかなければなりませんし、大規模農家や中小の家族経営など多様な担い手を共にサポートしていかなければなりません。

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