【今川直人・農協の核心】農協の農業経営をめぐる環境変化(3)2025年12月22日
2.広がる選択肢
25年センサスが示す課題
農水省は11月28日、2025年農林業センサス結果の概要を公表した。基幹的農業従事者は5年前の138.3万人から102.1万人に、農業経営体は5年前の107.6万経営体から82.8万経営体に減少した。一方、農業経営体当たりの経営耕地面積は3.1haから3.7haに拡大した。(本紙11月28日詳報)
これらの変化は、農地利用について二つの事情の進行を示している。平均経営面積は農業経営体の合計面積を経営体数で除したものである。すなわち、この5年間に農業経営体の合計経営面積は37.2万ha減少している(107.6万×3.1ha- 82.8万×3.7ha)。これに対して作物統計調査による農地(耕地)面積の5年間の減少は11.3万haである(437.3-423.9)。経営体の経営面積の減少の方が26万ha大きい。この差は、主として「経営体」に至らない農家が農地を維持している事情を示すものであろう。そして、①安定的な経営体の維持および②農地・農用地利用につながる畜産の拡大の二つの課題が、ここから導かれる。
畜産クラスター・コントラクター
畜産クラスターに対する補助金交付等要綱・要領が制定されたのは平成28(2016)年1月である。要綱(現行)は、クラスターを「関係者が連携する仕組み」と規定し、生産コストの削減、規模拡大その他の地域一体の取り組みの支援、スマート農業の推進・ICT等の省力化機器の導入の支援など広範な役割を託している。仕組みを特徴づける構成要素が農家を支える『外部支援組織』である。コントラクター(飼料作物生産)、TMR(飼料混合)、繁殖・育成・肥育施設など、特定作業を分業することによって効率を高める組織である。また、要綱・要領名が示すように公的支援による耕畜連携の仕組みとして特徴づけることができる。
北海道は牧草・青刈りとうもろこし、都府県は稲3種・牧草
「飼料生産組織をめぐる情勢」(農水省令和7年7月)はコントラクターの主な受託作業として、堆肥散布、とうもろこし播種、牧草収穫、青刈りとうもろこし収穫、WCS用稲収穫、 バンカーサイロ詰込、ラッピングの7つを例示している。平成20年の522組織から年々増加し令和6年で966組織に達している。コントラクター組織の収穫している飼料作物を北海道・都府県の飼料構成でみると、北海道では牧草が道の全組織の82%、次いで青刈りとうもろこし60%、稲WCS11 %であるのに対し、都府県では稲WCSが都府県全組織の62%、牧草43%、
青刈りとうもろこし26%、飼料用米19%となっており、稲わら収集が23%ある。牛は穀物飼養の肉用牛でも繊維は不可欠で、稲わらは貴重である。
道と都府県で異なる農協の役割
コントラクターの運営主体(令和6年)は、北海道では畜産農家と耕種農家(共同を含む)が61%、農協が28%であるのに対し、都府県では前者が83%、農協が7%である。一方、都府県において相対的に作付けが多い飼料用米が、平成27(2015)年に流通の円滑化と経費の合理化を目的にJA全農の直接買い取り・一元的流通に移行している。農協経済事業の重要な一部門である。
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