ボロボロの安倍政権2018年4月16日
先週の11日に、国会で集中審議が行われた。だが、これは審議になっていない。議論にさえなっていない。こんな審議を続けているからといって、しかし、民主主義の殿堂である国会を、見放すわけにはいかない。日本の民主主義は、いま、深刻な危機にある。
審議の議題は公文書の管理問題だというが、主な内容は、モリカケ問題であり、自衛隊の日報問題である。
野党は政府を攻め立てるのだが、野党間の連携が充分でない。だから、ノラリクラリと逃げ回っている政府を追い詰められない。野党だけでなく、国民もイラ立っている。
政府は、モリカケ問題や日報問題の真実が露見すると、よほど困るのだろう。だから、真実を隠蔽し、問題を公文書の管理問題にすり替え、矮小化し、はぐらかし、逃げ切ろうとしている。
こんなことをしていたら、国民の政府に対する疑惑は、ますます深まるばかりである。
国会の議論を聞いていると、それは議論になっていない。
いったい、安倍晋三首相は、野党の質問の内容を理解できているのだろうか。言葉や概念や、それをつなぐ論理が分かっているか。そこからして疑問がある。それは、政治家としての資質への、深刻な疑問である。
たぶん、それらは充分に分かっているのだろう。そうだとすれば、安倍首相は、真実が露呈されると、不都合な事態に陥ることを恐れているのだろう。そうとしか思えない。モリカケ問題や日報問題のなかに不都合な真実があるにちがいない。だから、それらの不都合な真実を隠そうとしているのだろう。
政府のあちこちで、新しい疑惑が、つぎつぎと噴き出ている。首相は「ウミを出しきる」といっているが、ウミを出しきった後に、いったい何が残るのか。
◇
世論調査で、首相の「人柄が信頼できないから」政府を支持できない、とする回答が多いのは、首相の、この狡猾ともみえる隠蔽行為が原因だろう。ここに、首相の国民に対する誠意の欠落を、多くの国民は見てとっている。
今朝、発表した世論調査(朝日)では、安倍首相を信用できないとする回答が、実に66%に達した。3人に2人という多さである。
◇
しかし、問題は、首相の政治家としての資質でもないし、人間としての誠実さの問題でもない。日本の民主主義の問題である。
首相が「一点の曇りもない」というのなら、真実を隠すのではなく、すべての真実を国民の前で明らかにし、その上で、日本の政治の最高責任者らしく、真正面から堂々と議論すべきである。
そうしないと、疑惑は深まり、いつまでも続く。そうして、安倍政権は体力をじわじわと落とし、ボロボロになってしまうだろう。
◇
今後、しばらくの間、外交日程を予定しているようだ。しかし、いまは外交などといって、海外へ行っているときではない。犯罪者のように、海外を逃げ回っているようにしか見えない。
そうした不様な安倍政権は見たくない。真実を発表できないのなら、右往左往せずに、一刻も早く退陣すべきである。
◇
最後に、野党に聞きたい。
野党に政権の受け皿があるか。それがなければ、国会論争は、政治ショーで終わり、実にならないアダ花になってしまう。
野党は農業者や労働者や中小企業主に根を張った政権の受け皿を作ろうとしているか。いま衆議院を解散して、総選挙になってもいいか。
(2018.04.16)
(前回 「朕は法なり」に誘惑される安倍首相)
(前々回 森友問題の中休み後の課題)
(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日