【森島 賢・農政寸評】「#ご飯論法」は安倍内閣のお家芸2018年6月6日
「#ご飯論法」がネットを、にぎわせている。命名したのは法政大の上西充子教授である。国会でも議論された。
この論法は、安倍晋三内閣のお家芸で、安倍首相をはじめ、安倍内閣の大臣たちの答弁に多用されている。論点を外して質問に答えず、時間かせぎをする答弁である。とうてい真摯な答弁とは言えず、膿を出しきる姿勢とは逆の姿勢である。
こうした国会審議が続けば、国民はますます安倍内閣に不信の目を注ぐだろう。それは、政治不信にもつながる由々しき事態である。
はじめに、「#ご飯論法」の見本を示そう。これは、上西教授の創作で、実際の例ではない。しかし、国会審議の真実をよく表している。
* * *
Q「朝ごはんは食べなかったんですか?」
A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」
Q「何も食べなかったんですね?」
A「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので・・」
Q「では、何か食べたんですか?」
A「お尋ねの趣旨が必ずしもわかりませんが、一般論で申し上げますと、朝食を摂る、というのは健康のために大切であります」
Q「いや、一般論を伺っているんじゃないんです。あなたが昨日、朝ごはんを食べたかどうかが、問題なんですよ」
A「ですから・・」
Q「じゃあ、聞き方を変えましょう。ご飯、白米ですね、それは食べましたか」
A「そのように一つ一つのお尋ねにこたえていくことになりますと私の食生活をすべて開示しなければならないことになりますので、それはさすがに、そこまでお答えすることは、大臣としての業務に支障をきたしますので」
* * *
これと同じような問答が国会で延々と続く。そして時間だけが過ぎていく。政府と与党は、やがて、同じ問答が續く、とうそぶき、議論は尽くした、として強行採決をする。そうして国民の不信だけが残る。
これでは、言論の府といわれる国会が泣くだろう。議会制民主主義の危機である。
ここには、野党の責任も1%くらいはある。だから、野党どうしで「#ご飯論法」を封じ込める作戦を相談したらどうか。そのための知恵がないのなら、地元へ帰って、国民の声を聞き、知恵を借りたらどうか。野党の支持者だけでなく、与党の支持者でも苦々しく思っている人は少なくない。
この論法が、罷り通っている理由は、安倍一強政治にある。それを、国民の支持のもとで、根本から掘り崩すことが根絶するための本筋である。
(2018.06.06)
上西充子教授のツイートは・・・
「朝ごはんは食べたか」→「ご飯は食べてません(パンは食べたけど)」のような、加藤厚労大臣のかわし方(上西充子)
重要な記事
最新の記事
-
第21回イタリア外国人記者協会グルメグループ(Gruppo del Gusto)賞授賞式【イタリア通信】2025年7月19日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「政見放送の中に溢れる排外主義の空恐ろしさ」2025年7月18日
-
【特殊報】クビアカツヤカミキリ 県内で初めて確認 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年7月18日
-
『令和の米騒動』とその狙い 一般財団法人食料安全保障推進財団専務理事 久保田治己氏2025年7月18日
-
主食用10万ha増 過去5年で最大に 飼料用米は半減 水田作付意向6月末2025年7月18日
-
全農 備蓄米の出荷済数量84% 7月17日現在2025年7月18日
-
令和6年度JA共済優績LA 総合優績・特別・通算の表彰対象者 JA共済連2025年7月18日
-
「農山漁村」インパクト創出ソリューション選定 マッチング希望の自治体を募集 農水省2025年7月18日
-
(444)農業機械の「スマホ化」が引き起こす懸念【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月18日
-
【サステナ防除のすすめ2025】水稲害虫の防ぎ方「育苗箱処理と兼ねて」2025年7月18日
-
最新農機と実演を一堂に 農機展「パワフルアグリフェア」開催 JAグループ栃木2025年7月18日
-
倉敷アイビースクエアとコラボ ビアガーデンで県産夏野菜と桃太郎トマトのフェア JA全農おかやま2025年7月18日
-
「田んぼのがっこう」2025年度おむすびレンジャー茨城町会場を開催 いばらきコープとJA全農いばらき2025年7月18日
-
全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を目指す 大分県推進協議会が総会 JA全農おおいた2025年7月18日
-
新潟市内の小学校と保育園でスイカの食育出前授業 JA新潟かがやきなど2025年7月18日
-
令和7年度「愛情福島」夏秋青果物販売対策会議を開催 JA全農福島2025年7月18日
-
「国産ももフェア」全農直営飲食店舗で18日から開催 JA全農2025年7月18日
-
果樹営農指導担当者情報交換会を開催 三重県園芸振興協会2025年7月18日