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【熊野孝文・米マーケット情報】新米に「買い」入らず-急変した端境期2018年7月17日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

向こう3ヵ月の需給動向DI 「他の卸さんとも話したんですが、私どもと同じ意見で、手持ちの在庫を軽くする方が先ですね」と関東の中堅卸が言う。7月12日行われた日本コメ市場の取引会が終わった後の卸の感想である。この日の取引会では、先渡し条件で宮崎や千葉の30年産早期米の売り物が出たのだが買いが入らず成約に至らなかった。
 米穀安定供給確保支援機構が毎月公表している「米取引関係者の判断に関する調査結果」というものがある。これはコメの集荷業者や卸、小売などコメの取引状況や先行きの需給見通し等についてアンケート調査を実施、それを指数化したもの。7月5日に6月に実施したアンケート結果が公表され、その中に「国内の主食用"向こう3ヵ月の需給動向について"どうなると考えていますか?」という質問がある。それに対する回答がDIという指数で示されている。DIとはDiffusion Indexの略でアンケート回答者の判断や方向性を指数化したもので、6月は前月に比べ2ポイントダウンして「38」になっている。指数は100に近づくほど需給が締まり、50以下になると緩むという判断を示している。昨年末から今年初めまでは63~69という高い数値を示していたが、4月に46と50を割り込んでから5月40、6月38という具合に急落している。
 需給見通しが40を割り込むのは実に2年10か月ぶりのことで、先行きの需給の緩みを相当に懸念していることが読み取れる。
 6月に向こう3ヵ月の需給見通しと言うことは7、8、9月の3ヵ月で、ちょうど端境期に当たり、本来であれば最も需給が締まる時期である。にもかかわらず、コメの当業者はかつてないほど需給が緩むと見ているのだ。その要因は、コメの消費減が加速していることと30年産主食用米の供給量増加予測にある。
 12日の日本コメ市場取引会では、宮崎コシヒカリ1等の売り唱えは7月中渡し条件でこそ関東着1万6000円を超えているが、その後は1万6000円以下でほぼ前年に行った取引会での売り唱えと変わらない。また、千葉ふさおとめ1等も8月21日以降渡し条件で1万4100円で、これも前年スタート並みの価格である。そうした価格であるにも関わらず全く買いが入らなかった。その感想が冒頭に記した内容で、目下の卸の最大の課題はいかに手持ちの29年産在庫を軽くするかにある。それはこのままの気象条件で30年産米が豊作になった場合、30年産が29年産より安いといういわゆる親不孝相場になる可能性があり、29年産の手持ち在庫が多ければ多いほど在庫差損が膨らむからである。
 では、実際に集荷に当たる千葉の集荷業者は30年産米の庭先価格をどう予測しているのか? コシヒカリについては29年産より300円から500円安い1万3500円~1万4000円。ふさこがね、ふさおとめクラスも500円安い1万2500円~1万3000円と予測している。この集荷業者は強気で集荷に当たるが、それでもこうした予想をしており「B銘柄の増産と多収穫米ブームで不足感が一掃、コシヒカリとの格差は1000円から1500円に戻る」と見ている。B銘柄の増産と多収穫米ブームは千葉だけの減少ではなく新潟や東北各県でも同じで、萌みのり、あきだわら、ちほほなみ、つきあかり等々の多収穫品種の作付が増えている。 ただし、北海道と西日本ではそうした見方はしておらず、かなりの温度差がある。特に九州は主食用米の生産が減少すると見ており、移出県から移入県になってしまうのではないかと不安視する卸もいるほど。こうしたこともあって全国的な30年産米の主食用米生産予想は掴みづらいが、コメ政策に精通している向きは、政府備蓄米落札状況等制度的な面から30年産米の主食用米は29年産に比べ平年作でも23万t増加すると予測している。
 日本コメ市場の売り唱え価格(1等、東京着、税別)は北海道ゆめぴりか1万5100円、青森つがるロマン1万4100円、宮城ひとめぼれ1万4500円、宮城つや姫1万4700円、秋田あきたこまち1万4250円、山形はえぬき1万4250円、福島中通りコシヒカリ1万4600円、福島中通りひとめぼれ1万4100円、茨城コシヒカリ1万4400円などで、下落に歯止めがかからない。29年産だけを見ると在庫水準が極めて高いという状況ではないのだが、30年産主食用米増産予想が換金急ぎの売りに拍車をかけている。

 

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