【原田 康・目明き千人】外国の人を受け入れるポイントは通訳2018年9月16日
外国の人たちを農業技術の研修生として、また労働力として受け入れる場合に留意をする点をいくつかの事例からまとめると次のようになります。
◆通訳がお互いの意思疎通のカギ
仕事や日常の生活で問題が起きたときに通訳が双方の主張や解決策を正確に相手に伝えずに、通訳の主観や言葉足らずの通訳をすると受け取った方は不信感をもち、些細なことでもトラブルとなった例があります。通訳を介した話なので双方の意思疎通が日常的に出来ることが大切です。
工場などで働く場合は、職場と生活が別になり、通勤や都会ならばいろいろと息抜きの場があります。農業、農村という性格上職場と生活が一緒であり、仕事も天候に合わせることになるので双方の信頼がカギとなります。外国語での日常会話をタダで覚えるよい機会です。
◆生活のマナーを教える
アフリカなどは勿論ですが、同じアジアでも国によって日常の生活のマナーが違います。日本では
方言はあっても言葉、宗教、種族の違いによるトラブルは起きませんが外国はどこの国もこのような厄介な問題を抱えています。それらが日常の生活にも反映をしますので、日本ではごく当たり前のマナーがそれらの国の人には理解できないことがあります。
子供へのしつけのようなことになりますが、教えてあげるのが仲良く生活をするうえで役に立ちます。
◆日本に来る時の条件を確認する
日本での研修や労働・仕事の内容、給料や生活で必要な費用の負担の方法などについて直接本人から聞いてお互いに確認をしておきます。
送り出す側、受け入れ側に手数料を支払った場合はその額も確認をしておきます。
派遣にはいろいろな業者や公的な機関がありますが、そこから聴いただけでは本人が承知をした条件と違っていると、思惑の違いとなりますので、直接本人と確認することがトラブルを防ぎます。
◆農作業の季節性 農協組織
農業は忙しい時期と暇な時期があります。受け入れは3~5年と長期になるので、給料を払うような仕事を確保するために産地間の話し合いによる受け入れの移動もアイデアです。研修生も各地の農業を知ることになるので勉強になります。
経済の発展途上国といわれる国にも農協はありますが、名前だけの組織で実務としてやっていることも信用事業くらいで販売、購買の経済事業をやっているところは例外のような状態です。
日本の農協が農家の生産、販売に直接役に立っている仕事をしていることを見せてあげ、帰ったらこのような組織を育てる方法を教えてあげることです。
◆連絡協議会もアイデア
受け入れ側で協議会のような組織を作って全体にかかわる通訳、研修、トラブル等への対応の方法などの調整や情報を共有するところがあると便利でしょう。
受け入れの業務をやっているところは、受け入れ以降のアフターサービスまでは無理であるし、親身になって相談をすることは期待できません。
受け入れた農家や農協もよい人に来てもらった、大いに助かった、日本に来た皆さんも帰国をしてから日本でいろいろと勉強となった、行ってよかったという評価を受けるような受け入れの体制を作ることが必要でしょう。
本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日