【JCA週報】ヨーロッパ諸国の食生活指針から見る食料消費の課題2019年9月2日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中会長)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
今回は、「ヨーロッパ諸国の食生活指針から見る食料消費の課題」です。
当機構では、調査・研究の一環として「EUの農業・農村・環境シリーズ」を発表しています。今回はその最新報告を紹介します。
『EUの農業・農村・環境シリーズ』
第49 回 ヨーロッパ諸国の食生活指針 から見る食料消費の課題
(一社)日本協同組合連携機構 基礎研究部 客員研究員 和泉真理
ヨーロッパの食生活を取り上げよう。 といっても、食生活は国どころか家庭毎に異なるだろうし、刻々と変化している。その中で、ヨーロッパ各国の食生活の現状や問題意識を垣間見る1つの方法は、各国の食生活指針を見ることだ。
世界の多くの国が食生活指針を作っている。国連食糧農業機関( FAO )は各国に食生活指針を作ることを奨励しているが、その FAO によれば。世界の100カ国以上で食生活指針が作られている。
食生活指針の内容は食料消費のバランスが基本だが、食材の組み合わ せ、食品衛生・安全、ライフスタイル、食生活における持続性への配慮など様々な要素を盛り込んだ食生活指針を作る国が多い。そこから、各国の食生活の現状や抱える課題が浮かび上がってくる。
本稿では、 似ているようで、中身は異なるヨーロッパ各国の食生活指針を紹介しよう。
1ヨーロッパ各国の食生活指針(各国の内容は、下記リンク先をご覧ください)
(1)フランス
(2)イタリアとスペイン
(3)ドイツと英国
2食生活指針に見られる各国それぞれの特徴と共通の課題
いかがだろうか。似ているようで、それぞれの食卓のお国柄が感じられる各国の食生活指針である。
各国の食生活指針には、各項目についての詳細な背景説明や実際に取り組む上での助言などが盛り込まれたパンフレットが作成されている。しかし、食生活指針自体は簡潔で、国民が分かりやすく取り組みやすいような内容になっている。
(略)
日本人は食事における「ご飯」など主食の存在は当たり前だと感じているだろうが、食生活指針に「穀類を食事の基本にしましょう」という内容が多く見られるヨーロッパ諸国では必ずしもそうではない。脂肪分の多い肉料理などを減らし、穀類、できれば全粒の穀類をというメッセージに、食卓の違いを感じる。水を飲むことが強調されている点も日本とは違う。
この他、国によって、多様な食材の選択、朝ごはんの重視、多様なニーズへの対応、持続的な食品の選択、食事を楽しむことなども盛り込まれている。日本も含めた先進国の食卓をめぐる共通の課題が見えるのではないだろうか。
EUの農業・農村・環境シリーズ
第49回 ヨーロッパ諸国の食生活指針 から見る食料消費の課題
本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
コラム一覧【JCA週報】
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日