【原田 康・目明き千人】中家会長 日米貿易協定に賛意を表明2019年10月28日
日米貿易協定が閣議決定され、国会に提出された段階で全中の中家会長は賛意を表明された。協定は多くの分野にわたるが焦点は日本からの自動車の関税の引き上げとアメリカからの牛肉・豚肉の輸入の拡大であった。結果は牛肉、豚肉の輸入の拡大で妥協をしたものである。
全中は10月から「一般社団法人・全国農業協同組合中央会」となったが全国の農協組織を代表する機能は従来のとおりなった。日米貿易協定の結果を支持する旨の表明は新しい「全国農協中央会」の会長としてのご発言である。
農協組織の組合員の状況を大雑把にみると、総合農協の組合員は1040万人で内訳は準組合員が607万人、正組合員が436万人である(2017年)
正組合員で肉用牛と豚を飼育している農家の割合を見ると(統計が戸数なので戸数の比較)飼育農家は合計で5万3000戸、正組合員は370万戸なので正組合員の1.4%であり、組合員全体から見ればごく少数となる(2019年)。
正組合員にも兼業農家が多いので農協組合員1000万人は牛肉、豚肉の消費者である。組合員の生活を守る立場からは牛肉や豚肉の輸入が増えて安くなることは歓迎である。
また、全中の政治活動を分担している「農協政治連盟・農政連」は自由民主党を支持しており国会議員の選挙では自民党の候補者の応援をしている。政治的な立場からも安倍内閣の政策を支持することは自然である。
中家会長が農業協同組合の代表機関の「一般社団法人・全国農協中央会」の会長として日米貿易協定の結果に賛意を表明されることは誠に理にかなったご発言である。
現在農協組織が取り組んでいる「農協の自己改革」運動の一環で実施をされた組合員のアンケートでも全中の指導が高い評価を得ている。全中が農協ではない一般社団法人となっても組織を代表する機能、指導機関としての「全国農業協同組合中央会」として期待をされていることを踏まえてのご発言である。
本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日