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人間荒野に裸で立ちすくむ農民【坂本進一郎・ムラの角から】第35回2020年5月21日

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◆歴史は繰り返す

今年は富山の魚津(うおつ)で大正7(1918)年のコメ騒動が起きてから、102年になる。なぜコメ騒動が起きたのか。1917年ロシア革命が起き、日本はヨーロッパのおだてに乗って、出兵した。当時の食料は米と味噌で、業者は儲けのため米の買い占めをした。魚津で米担ぎをしていた母さん達は、「業者の米倉庫には米があふれているのに、なぜ我々のところは空っぽなのか」と疑問を持ち、そこからコメ騒動になった。地元新聞記者の努力もあって、騒動は大阪に飛び火し、100万人が参加したといわれる。当時の日本の人口は5000万人ぐらいなので、今の人口に換算すると200万人が騒動に参加したとみられる。
政府はこの騒ぎに困惑し、対策を練った。第一弾は1921年の政府が買い上げ、放出を行うという「米穀法」である。これは間接統制により乱高下を防ごうというものである。しかし失敗した。米の乱高下は収まらなかったのである。
そこで政府は1933年(昭和8年)「米穀統制法」により、無制限買い占めによって米価の安定を図った。ところが1兆円という莫大な予算を食うので、これも失敗した。次に出てきたのが1942年(昭和17年)の「食糧管理法」(食管法)である。この法律のみそは戦争経済ともドッキングしていたが、統制経済によって計画生産を行うことにある。

一回「過剰」になるか、「不足」すると、後始末に困るのは、農産物は天候に左右されるからで、計画生産は必要である。1918年のコメ騒動は農政が行き当たりばったりだったからである。仙台藩とゆかりのあった江戸後期の林子平は『海国兵談』(1791年出版)を書いたため、この本の原稿版木など没収された。彼はこれを皮肉って六無齋と称した。「齋」とは雅号につける飾り言葉のようなもので、従って、六無齋とは――親もなし妻なし子なし版木なし金もなければ死にたくもなし――というものである。この六無齋は、米騒動の頃の日本の農政にも似ている。それ故、さらに皮肉って「六無災」(政治災害のこと)としたい。六無災(齋)と口走るのは、農政と農民の間に血が通っていないからである。

今の農政は米騒動の頃の農政にそっくりだ
では日本農政の六無齋とは何か。列挙してみる。

1:備蓄米は回転備蓄でなく、棚上げ備蓄を実行せよ
国は今備蓄米を持っているかわからない。民間に委託しているとも聞く。備蓄米は米価安定の手段として、最低支持価格制度と共に必須である

2:最低支持価格制度(不足払い)を実行せよ
1995年の食糧法施行のとたん米価下落。その後小刻みに下落して12年後の2007年には1俵(玄米60㎏)1万1000円。20年後の2014年になると8500円。人を馬鹿にした米価だ。最低支持価格がないため米価はズルズルどこまでも下落するのだ。

3:個別所得補償制度(デ・カップリング)を実行せよ
デ・カップリンとは生産者は所得を増やしたいとき、生産をあげようとする。そうなると生産過剰や環境問題を引き起こす。それを避けるため補償金で問題を解決しようという農政の一つのやり方である。
恒久性のあるものは政権党の思惑でなく法律によって実現すべきと考える。ところが今コロナウイルスで個人補償に道を開いた。自民党はこれまで大企業寄りであったが、今後は個人にも寄り添った対応をしてほしいものだと思う。

4:米作りには多面的機能がある
コメ作りには、米という「モノ」作りのほか、「食料政策」(自給率向上)、「地域政策」(定住政策=公共的性格)がある。しかし農政はモノ作りとしか見ていない。

5:政治米価
中曽根臨調の農業潰しはすさまじい。私のところにも有象無象の週刊誌の記者が押し掛けて来た。政治米価の最たるものは、前川レポートであろう。「レーガンの国際収支の赤字を助けるためどんどん農産物を買いますから」、というのがこのレポートの趣旨でもあった。しかし押しかけ記者の中には、「正義の味方?」もいるもので、彼曰く、「今話題になっているRMA(全米精米者協会)ね、あれは最近まで私も知らなかったのだが、アメリカではほとんど知られていない団体です」大胆に農業潰しを行う、このころの中曽根のあだ名は「農民殺しの葬儀委員長」であった。

6:米の流通を牛耳る大手商社と量販店
今我々生産者がコメを出荷したときその受取金額は、1俵(玄米60㎏)1万2000円ぐらい。一方消費者が店の店頭から買うコメの値段は、5kg単位で2000円(白米)。これを一俵に直すと、2000円×2(10kg)×6(1俵)=2万4000円。つまり、生産者は半分の値段でコメを売っていることになる。これはボランティア価格だ。食管法のある時は生産者価格を高くし消費者価格を低くした。これによって低米価・低労賃の所得再分配を行った。しかし、マスコミは逆ザヤはけしからんと一斉(足並みそろえて)に逆ざやだと騒ぎ立てた。ところが今日の不思議なほどの順ざやを騒ぎ立てない。これは推測するに大手商社が量販店のみならず卸まで傘下に収めて、米の流通を独占し、価格操作をして流通マージンを懐にしているからである。この状態は寡占といっていいのだろう。


以上六無災を無視すれば、荒野に立たされた民衆は、1918年の二の舞を演じないとも限らない。今、その段階に今到達したように思う。

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

坂本進一郎【ムラの角から】

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