6次産業化よりも生産基盤の充実を【原田 康・目明き千人】2020年6月22日
コロナウイルス騒動で産業のもろいところが浮き彫りになっている。第一次産業の農林水産業と第二次産業の製造業も影響を受けてはいるが、第三次産業の流通関係、特にサービス関係がもろに打撃を受けている。国内だけではなくアジアやヨーロッパなど世界各国からお客様がお金をもって来てくれていることで成り立っている業種は人の移動がストップして飛行機も飛ばない事態は想定外だ。これらの産業も下請け、孫請けの弱い立場のところにしわ寄せがいっている。
農家が、農産物の加工、流通で生まれる付加価値を生産者が取り込むとの狙いの6次産業化の、肝心の利益を生むところがお手上げとなっている。国際競争の中で頑張っている業界に素人の農家が新規に入るためには小規模とはいえ、ヒト、モノ、カネの投資が伴う。メーカーやスーパーなどの企業が材料である農産物を企業経営の農場で生産をすればもっと利益が出るはずと農業を始めたところがたくさんある。逆の6次産業化であるが、やってみたら大きな赤字となりほとんどは3年くらいで撤退をしている。
AI、IoTなどコンピューターによる技術が生産から流通までを規制する時代となった。
1、2、3次のそれぞれが最新の技術により生産性を上げ、足し算ではなく掛け算で6次産業化を達成する計算が、どこかがゼロとなると全部がゼロとなる。リスクも大きい。
コロナ騒動は農業という産業、特に日本のような自給率が低い国の食糧の生産を受け持っている産業が安定をした、豊かな社会を支えていることが改めて評価をされている。
農家は野菜、果実、畜産物などの生産段階を分担して、収穫以降は農協が共同販売で責任を持つ。生産からエンドユーザーまでの流通を含めて付加価値も農家にメリットを還元できる仕組みだ。
第2次、第3次産業の機能を分担している農協が「自己改革」をして販売事業をしっかりやるのが時代の要請だ。
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