農家が外国の人を上手に使う方法【原田 康・目明き千人】2020年7月20日
農家はともかく忙しいので外国の人を使うことが多くなっている。外国からの労働者は「農業実習生」とかいろいろな理屈をつけるが実際は途上国といわれる国からの農民の出稼ぎの人達である。
農家がやってもらいたい仕事は、栽培の管理、収穫、選別や輸送であるがこれらの作業が日本と各国とでは同じ農作業といっても大きく異なっている。この違いは野菜、果実の中間の流通から業務用や消費者・エンド・ユーザーの買い方の違いから来ている。
分かりやすい例としてイチゴを見てみる。日本ではイチゴは、赤くて柔らかく、甘いものが高く売れる。このような品種を栽培して収穫も果肉の部分を傷めないように実の部分には触れずヘタでとって小売用のパックに入れる。流通も販売もパック単位であり、消費者も食べる時まで品質を傷めないように取り扱っている。業務用も品質が第一だ。
一方、外国のイチゴは途上国だけでなく先進国といわれる国でも大粒て、赤いが果肉は固く流通も大きな容器でバラのままである。小売店ではイチゴを大・中・小を混ぜて山積にしてkg当たりいくらという売り方でお客は必要なだけ袋に入れてレジで目方を計って清算をする。従って同じイチゴでも栽培管理、特に収穫作業と以降の流通での取り扱い方は全く異なっている。品質の保持よりもコスト削減である。
途上国からの出稼ぎの人達はイチゴであれば自分の国と同じ扱いとなる。これでは日本では商品価値のない等外品となってしまう。イチゴ以外の野菜、果実も同じ様に日本では小売店の販売単位が一個、一本、パックであるが外国ではkg単位である。個体毎の商品の選別の基準が異なる。日本の農産物が高品質、高価格の要因でもある。日本の農家は野菜、果実の品目ごとの小売段階の販売方法を理解して作業をしているが外国からの人はまさに想定外となる。
農家が外国からの出稼ぎの人を受け入れる時には、お互いの国の栽培の管理、収穫以降の違いを理解してもらうことが農家のやって貰いたい作業となる。
これに通訳が入るので面倒なこととなる。農協が海外からの人への研修を分担して農家の補完をすることが必要である。
重要な記事
最新の記事
-
米粉で地域振興 「ご当地米粉めん倶楽部」来年2月設立2025年12月15日 -
25年産米の収穫量746万8000t 前年より67万6000t増 農水省2025年12月15日 -
【年末年始の生乳廃棄回避】20日から農水省緊急支援 Jミルク業界挙げ臨戦態勢2025年12月15日 -
高温時代の米つくり 『現代農業』が32年ぶりに巻頭イネつくり特集 基本から再生二期作、多年草化まで2025年12月15日 -
「食品関連企業の海外展開に関するセミナー」開催 近畿地方発の取組を紹介 農水省2025年12月15日 -
食品関連企業の海外展開に関するセミナー 1月に名古屋市で開催 農水省2025年12月15日 -
【サステナ防除のすすめ】スマート農業の活用法(中)ドローン"功罪"見極め2025年12月15日 -
「虹コン」がクリスマスライブ配信 電話出演や年賀状など特典盛りだくさん JAタウン2025年12月15日 -
「ぬまづ茶 年末年始セール」JAふじ伊豆」で開催中 JAタウン2025年12月15日 -
「JA全農チビリンピック2025」横浜市で開催 アンガールズも登場2025年12月15日 -
【地域を診る】地域の農業・農村は誰が担っているのか 25年農林業センサスの読み方 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年12月15日 -
山梨県の民俗芸能「一之瀬高橋の春駒」東京で1回限りの特別公演 農協観光2025年12月15日 -
迫り来るインド起点の世界食糧危機【森島 賢・正義派の農政論】2025年12月15日 -
「NARO生育・収量予測ツール」イチゴ対応品種を10品種に拡大 農研機構2025年12月15日 -
プロ農家向け一輪管理機「KSX3シリーズ」を新発売 操作性と安全性を向上した新モデル3機種を展開 井関農機2025年12月15日 -
飛翔昆虫、歩行昆虫の異物混入リスクを包括管理 新ブランド「AiPics」始動 日本農薬2025年12月15日 -
中型コンバインに直進アシスト仕様の新型機 井関農機2025年12月15日 -
大型コンバイン「HJシリーズ」の新型機 軽労化と使いやすさ、生産性を向上 井関農機2025年12月15日 -
女性活躍推進企業として「えるぼし認定 2段階目/2つ星」を取得 マルトモ2025年12月15日 -
農家がAIを「右腕」にするワークショップ 愛知県西尾市で開催 SHIFT AI2025年12月15日


































