農協の活動からSDGsを捉えると... 三重県JAいがふるさと常勤監事 縄手 誠【リレー談話室・JAの現場から】2020年9月3日
私は農協外の会合に出かけるとき、意識してSDGsのピンバッチをつけていきます。昨年はこのピンバッチをつけていると、面識のない方からも何のバッチなのかを聞かれました。この問いかけに対して、私は「国連が採択した持続可能な開発目標のことで、『貧困をなくそう』 や『飢餓をゼロに』、『陸の豊かさを守ろう』など17の目標があります」と、答えるのですが、多くの場合その時点で話がとまります。自分の説明下手がもどかしく、農協の活動とSDGsを結びつけるもっとわかりやすい方法はないものかと思っていました。
家の光協会が発行する雑誌「地上」の付録「農家のためのSDGs読本」の中に、17の目標と169のターゲットのチェック欄がありました。チェック欄の使い方は「すでに取り組んでいること」「共に取り組むこと」などに整理し、目標・ターゲットを意識して今までの取り組を書き出してみようとあったので、やってみました。
「1.貧困をなくそう」。ターゲットに「・・・各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にあるすべての・・・(人の)割合を半減させる。」と、あります。先日、管内のある自治協議会から、子ども食堂を運営するのでJAの支援が欲しい、との要請がありました。支援の仕組みを検討した結果、「伊賀米コシヒカリ」を直売所でつきたての米と交換できるクーポン券で提供すること、直売所で購入した食材には別途助成金を支給することを決めました。この仕組みでしたら、食材の無償提供などを通じて、直売所やJAをもっと身近にとらえていただけると思います。
「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」。ターゲットに「すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、・・・質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靭なインフラを開発する」と、あります。農協管内で買い物困難者が増加している状況があります。住み慣れた地域に住み続けたいという当たり前の思いを続けることが難しくなっています。
当農協では移動購買車3台を運行していますが、移動購買車では搭載しきれない生活用品を補うため、全農が提案する「暮らしの宅配便」のカタログ版も取り扱っています。組合員・地域住民の購買を農協グループで分担する仕組みになればと思います。ただし、「暮らしの宅配便」の利点はWEB注文と思いますが、私たちの地域ではWEB注文はJA事業との連携が悪いようで、システムが改良されるよう期待しています。
「17.パートナーシップで目標を達成しよう」。国家間の取り組みが多いと思いますが、ターゲットに「すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、・・・発展途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する」と、あります。この項目も共通の精神にとどまらず、具体的な取り組みができます。当農協は過去にIDACA(アジア農協振興機構)を通じてアジアの協同組合の関係者と交流する機会を得ました。
当農協の女性組織の会長が中心となり準備を行い、アスパラガスの共同選別場や直売所の視察、日ごろの文化活動などを体験してもらいました。交流会では、伊賀忍者発祥の地ということで、みんなで作った折り紙の手裏剣や、忍者の携帯食に由来を持つとても固い「かた焼き」は大変人気でした。
私は今後もSDGsの目標と自身の身近な活動の関連づけを続けていきます。また、機会があれば他の方にも関連付けを提案したいとも思っています。そのことが協同組合の優れた点を認識する機会になればよいと思います。監事の私が出しゃばりすぎかと思いますが、SDGsの精神は「「だれ一人取り残さない」です。このためには「あらゆる立場の人たちが積極的に関わることだ」と国連広報センター所長の根本かおる氏が言っています。
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