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再生可能エネルギーで地域再生【小松泰信・地方の眼力】2020年10月21日

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【小松泰信・(一社)長野県農協地域開発機構研究所長】

日本生命保険は2021年4月から、すべての投融資の判断に、企業の環境問題や社会貢献への取り組みなどを考慮した「ESG」の考え方を採用する。独自に策定した評価基準を用い、経営の透明性や持続可能性の高い企業などへの投資を増やすことで、利回り向上とリスク低減を目指す。(読売新聞10月20日付)
ESGとは、投資環境(Environment)・社会貢献(Social)・企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別した投資。

komatsu_honbun.jpg再生可能エネルギーの利用高まる

西日本新聞(10月17日付)は、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」や、環境や社会的責任を重視する「ESG投資」が注目を集める中、二酸化炭素(CO2)排出量を減らす取り組みで企業の社会的評価を高めるため、使用電力をすべて再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱など)で賄うことを目指す企業が増えてきていることを報じている。そして「電気を使う企業も、CO2削減の取り組みによって投資家や消費者から『選別』される時代が近づきつつある」とする。
日本農業新聞(10月18日付)の論説も、「農地に支柱を立てて架台を載せ、農地の上で太陽光発電をしながら農業生産にも取り組む営農型太陽光発電の面積が増えている。当初の設備に資金が必要なため、農家が単独で発電事業に参入するのは難しい。優良な連携相手を仲介する仕組みづくりが求められる」と、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の広がりを取り上げている。

「エネルギー基本計画」の見直しと再生可能エネルギー

国の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」について、経済産業省が見直しに向けた議論に着手した。
これを受けて、山陽新聞(10月18日付)の社説は、「二酸化炭素(CO2)を出さず環境に優しい再生エネを最大限活用し、主力電源として機能するよう意欲的な目標に見直すことが求められる」とし、「再生可能エネルギーの拡大」をそのポイントとする。
しかし18年度の再生エネ比率は16.9%で、脱炭素で先行する欧州各国は30%前後と比べると、「日本の立ち遅れは否めない」とし、事業者への支援の必要性を訴えている。
また、固定価格制度による買い取り費用が電気料金に上乗せされ、家庭や企業の負担が増大していることから、「再生エネの強化と国民負担とのバランスを考慮した議論」を求めるとともに、「原発に対する国民の不信や不安は根強い」ことから、「将来的に原発比率を下げていく道筋を示すべきだ」とする。
期せずしてこの7月に「経済同友会」から出された『2030年再生可能エネルギーの電源構成比率を40%へ』と、「自然エネルギー協議会(会長 飯泉嘉門 徳島県知事)」から出された『自然エネルギーで未来を照らす処方箋』が、30年に再生エネの比率を40%まで引き上げることなどを提言していることを紹介し、「天候に左右されがちな再生エネが主力電源となるには、蓄電池の性能向上や送電線網の拡充なども必要となる。技術開発を促し、設備投資の呼び水となるよう、政府は野心的な目標を掲げ、政策誘導することが欠かせない」とする。

原発の再稼働、さらには新増設までも後押しする読売新聞

読売新聞(10月17日付)の社説は、「温室効果ガスの排出を抑制しながら、電力の安定供給を確保するという課題にどう対処するか。冷静な議論を通じ、現実的な道を探るべきだ」と、再生可能エネルギーの利用促進にくぎを刺す。
再生可能エネルギーの問題点として、「買い取り費用が転嫁された結果、家庭や企業の電気代の負担」が増えることと、発電量の不安定性を指摘する。その不安定性を補うための電源として、「原子力の活用が最も有効だろう」とする。
そして、「政府は、新計画で原発の必要性を国民に説明し、責任を持って再稼働を後押しせねばならない。同時に、国民の原発に対する信頼を取り戻すため、官民で安全を一段と高める技術開発を加速させるべきだ。古くなった施設も多く、原発の新増設についても、論議を深めてもらいたい」とまで述べている。

中国新聞の見識

中国新聞(10月21日付)の社説は、18年度の電源構成実績が6.2%の原発を、30年度に20~22%程度とした18年7月の閣議決定を取り上げ、「福島の事故を受けて安全対策費がかさみ、『安い』というメリットも失われた。(中略)原発ゼロを望む国民の多さを考えると、そもそも達成不可能な目標だったのではないか。依存度の引き下げが進む国際社会の潮流にも逆行している」と、指弾する。
「脱炭素を進めるためにも、再生エネルギーの大幅拡大が必要だ」が、日本は後れを取っている。「発電量が天候に左右されるほか、ドイツなどに比べコスト低減も進んでいない」と、問題点を読売新聞同様認める。
だが、「政府の意識は経済界より遅れているようだ」とし、前述の経済同友会提言が、30年の再生エネルギーの比率を、太陽光・風力で30%、水力や地熱などで10%と具体的に示したことを、「欧州各国にも引けを取らない高い目標」と評価する。
実現に向けた、政府による明確な意思表示と政策誘導、積極的で継続的な民間投資等々の条件がそろえば、「国民の意識変革や行動変容がさらに進み、道筋も見えてこよう。エネルギー自給率の引き上げや、温暖化対策の国際公約達成にもつながるはずだ」として、新たな基本計画で、再生エネルギーの拡大へと大きくかじを切ることを政府に求めている。
その背景として、「私たちは、風水害や地震が頻発する災害列島に住んでいることも忘れてはならない。甚大な被害が懸念される南海トラフ巨大地震や首都直下地震が、30年以内に70%前後の確率で起きると予測されている」ことをあげ、「災害に備えて、小規模分散型発電の可能性も各地域で考え」ることを、我々に訴えている。

再生可能エネルギーで地球も地域も持続する

「化石燃料のほぼ全量を輸入に頼る我が国では、温室効果ガス削減のためだけでなく、エネルギーの安定供給と自給率向上のためにも、再エネの大量導入と主力電源化が有効有益であることは論を俟たない。その実現に向けては、さまざまな課題があり、また一朝一夕で解決できるものではない。しかしながら、再エネの主力電源化は、地球の持続可能性の確保、そして日本の経済発展のために、官民が一体となって知恵を絞り、課題解決に取り組むべき最優先課題である」で、経済同友会の提言は終わっている。
ソーラーシェアリングが、十数年間耕作放棄地だったところを発電所と優良農地に変えた事例を最近見学した。
再生可能エネルギーは、地域再生のエネルギー源となる可能性も秘めている。
「地方の眼力」なめんなよ


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小松泰信氏のコラム【地方の眼力】

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