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大坂なおみと会見拒否 大原則「良い質問には良い答え」の質問力【記者 透視眼】2021年6月2日

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女子テニス・大坂なおみ選手の記者会見拒否問題が、世界中の話題となっている。メディアとアスリート。記者にとって会見はバトル、格闘技ですらある。記者の〈透視眼〉から見れば、結局は「良い質問には良い答え」に行き着く。

大坂なおみと会見拒否

SNSが一人歩き

彼女の発言はいくつかの意味で現代社会特有の病巣を映す。まずはSNSの威力、反響の大きさだ。トランプの悪弊がまん延しているのもあるかも知れない。もともとSNSなど正式なものではなく、〈つぶやき〉程度に見られていた。

ところが、前米大統領のトランプがあらゆる場面で使う禁じ手に踏み出し、閣僚の更迭まで明け方に自分が発するツィートで内外に明らかにする。それ以来、SNSは正規軍となり大きな影響力を持つ。

全仏大会前に彼女が恒例の記者会見を一切拒否する考えの〈つぶやき〉は世界中を巡り、主催者を激怒させた。自分の気持ちを率直に吐露したに過ぎず、これほど大問題に発展するとは夢にも思っていない。その意味では大坂なおみは〈正直者〉と言える。ただ、自分の存在を過小評価していた誤算を除けば。

会見は記者の生命線

筆者も多くの会見をこなし、きわどい質問を何度となくしてきた。その結果、相手が辞任に追い込まれたこともある。逆に怒鳴り返されたこともある。インタビューは天皇以外、3000人を超す。

会見はジャーナリストにとって極めて大切なものだ。百戦錬磨の相手に挑むには、相当の覚悟が必要だ。記者会見は武器を持たない真剣勝負の斬り合いでもある。

最近の記者はあまり質問ができないケースが目に付く。疑問に思ったことを一般大衆の前で訊けないようでは、まず記者として大成しない。業界紙の中では、相手に情報が漏れるのを防ぐためにあえて質問せず特報を書く習性も根強い。だが、そんなことをしていたら、業界全体の発展にとってもいいことはない。万機公論に決すべしである。

会見論の嚆矢・ガンサー

記者の世界でインタビュー論の嚆矢といえば1950年代の名著、ジョン・ガンサーが書いた『ガンサーの内幕』だ。今も脳裏に焼き付く台詞は「記憶は当てにならない水先案内人である」。記憶などに頼っていたのでは記者はつとまらない。まずは本人に確認する。事実をつきつめる。現場、現実、現状の〈三現主義〉は欠かせない。インタビューにはいくつかの原則がある。その一つに「相手を怒らせれば本音を漏らす」。

これは会見時に極めて効果的だ。今の首相・菅などはこの手の質問でいらだちつい口を滑らせそうになる。おそらく大坂なおみもこの手の質問に嫌気がさしていたのかも知れない。ただこれは、会見術のイロハですらある。

首相も参考パウエル「リーダー論」

菅が官房長官だった頃、東京新聞社会部の女性記者とのやり取りが話題となったことがある。安倍政権の「政治とカネ」疑惑で執拗に食い下がる記者の質問に「指摘は当たらない」「さっき答弁したとおり」と素っ気なく応じ、次の質問に行く。つまりは都合の悪い質問には答えない。

参考にしたのは元米軍統合参謀本部長で米国務長官を務めたコリン・パウエルのリーダー論『リーダーを目指す人の心得』。日本の版元は飛鳥新社である。ここにあるホワイトハウスでの記者会見の要諦に菅は注目した。「記者は質問する権利がある。私は答える権利がある」。菅はこう都合良く解釈し直した。相手が何を聞こうが勝手だが、こちらはどう答えようと自由だ。

誠意ある問いに誠意で応じる

大坂なおみもこんな記者問答ができれば、会見拒否の罰金を科せられた上で全仏大会棄権となった精神的な苦痛は感じなかったかも知れない。だが彼女は清濁併せのむ政治家とは違い、常識人でもあると共に心優しきアスリートなのだ。

記者会見はテニス4大大会の競技の一部であり、選手に課せられた義務でもあるとの主催の主張も確かに理解できる。世界的なアスリートは、会見で自らの口で言葉を発するべきだ。それをファンも望んでいる。SNSでやり取りは不誠実であり誤解すら招く。

ただ、やはりインタビューの大原則に戻りたい。〈良い質問には良い答えが。悪い質問には無味乾燥な答えしかない〉。だから大半の記者達は内容のある答えを得ようと、取材を重ね勉強を重ね質問力を磨く。誠意には誠意が返ってくるはずだ。

東京五輪も近い。記者の〈透視眼〉からは、近い将来、彼女がまた笑顔であの温かく人を包み込む〈言葉〉を発する姿が見える。     

(K)

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