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異業種参入組が作るコメ関連商品の可能性【熊野孝文・米マーケット情報】2021年6月15日

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以前、農水省の地下にある職員食堂に、コメを原料にしたバイオプラスティックで作ったトレーが置かれていた。置かれていた期間は短かかった。トレーが変形して使われなくなったのだ。ところが最近こうしたコメを原料としたバイオプラスティック製品が次々に登場している。先週、東京ビッグサイトで開催されたお米産業展でも、コメ原料のバイオプラスティック製品を出展した企業があった。その商品とはボールペンで、展示されていたボールペンには各産地の銘柄米の名前が書きこまれていた。

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「お米のボールペン」とはどんなものかと言うと、ボールペンの素材にコメを原料にしたバイオプラスティックを使う。使用するコメは「規格外米や破砕米、くず米、米粉など非主食の『資源米』」で、それで出来たプラスティックを「ライスレジン」と呼んでおり、SDGsの追い風もあってかこのライスレジンを使った商品が次々に登場している。このライスレジンを製造している会社のホームページには、100万個のヒット商品になっている赤ちゃんのためのお米のおもちゃシリーズ、お米のオカリナ、郵便局のレジ袋、お米のスプーン、フォーク、お米の歯ブラシなど様々な商品事例が紹介されている。最近では大手企業の社員食堂でのストローやテイクアウトおむすびチェーンの袋にも採用されている。なにせ環境省が2030年までにバイオプラスティック製品を現在の50倍、200万トンに拡大すると言っているのだから"コメの新規需要"として極めて有望な分野だと思わざるを得ない。

お米のボールペンに話を戻すと、このボールペンに使われているライスレジンの割合を聞くと10%だという。冒頭の食品トレーと同じでライスレジンの割合を増やすと強度が問題になって来る。いっそのこと食べられるお米の皿でも作ったらどうかと聞いてみたところ、すでに製品化したことがあるという。ところがこのお米のお皿はネズミに齧られたとのことでお蔵入りになっている。そこでノベルティ商品としてボールペンに目をつけ、SDGsを全面に「バイオマスマーク認定取得商品」として売り出すことにした。CO2排出削減について「お米のボールペンでは1本あたり3.265グラム、体積でいうと約1.66リットルの二酸化炭素削減が見込まれます」とパンフレットに記されている。食品以外でコメを原料に使用しているものとしてはエタノールがあり、以前この欄でも紹介したが化粧品からスキンケアからボディ、ハンドケア、ウイルス殺菌のティッシュなど様々な用途に広がっている。

お米産業展では籾殻で作った鉛筆と言うものも紹介されていたが、籾殻はともかく全くの異業種からコメ業界に参入した企業も自社商品を紹介していた。

福島県の電子機器メーカーは、それまでコメビジネスとは縁がなかったが、所在地が天栄村という農村地帯にあり、従業員が農家であることや自社でも水田を所有していることもあって、コメ余りを憂慮した専務さん自ら「コメを何とかしなくてはいけない」という思いから、大学と共同で米めんの製造販売に乗り出した。米めん製造に協力した大学の教授は、小麦加工品が専門でコメを原料にした加工品を手掛けるのは初めてであったが、最初に讃岐うどんや稲庭うどんなど小麦麺と米めんの破断試験や食感評価を繰り返し、小麦を原料にした食感を有する米めんを製造するのに成功した。「う米(まい)めん」という名で商標登録を取得したこの商品は白米麺と玄米麺の2種類あり、その特徴はグルテンフリー、無添加、常温で長期保存、もちもち感。電子機器メーカーだけあって、クリーンルームで米めんを製造している。

パックご飯では、じゃこ天ごはんという商品を紹介している会社もあった。この商品は地元宇和島の特産品のじゃこ天を使用、うるち米ともち麦、野菜等を炊き込んだレトルトパックご飯。これ以外に機能性表示食品としてGABAごはんやキラリもち麦ごはん、愛媛の新品種「ひめの凛」を使ったごはんも紹介していた。機能性をプラスものでは「低糖質米」といったものも展示されていた。これは米粉とコメ由来のレジスタントスターチを混練りしてコメ粒型にしたもので、糖質が一般的なうるち米に比べ5割少なく、食物繊維が白米の65倍もあるという商品。これ以外に亜鉛サポート米、ルテインサポート米、GABAサポート米、葉酸サポート米といった機能性を強調した各種のコメを展示・紹介していた。

機能性を食料としてだけではなくサスティナビリティという視点で捉えればコメの可能性は大きく広がってきそうだ。

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】

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