大谷野球の魅力 伊藤澄一JCA客員研究員【リレー談話室】2021年7月19日
コロナ禍の日々、五輪強行と政治・行政の混迷による国民の鬱憤をエンゼルスの大谷翔平選手が晴らしている。大リーガー大谷の投手、打者、走者としての歴史的な活躍ぶりと人間性に、世界の人々は深い共感と感動に包まれている。シーズン前半で4勝、打率.279で33本のホームラン、盗塁12個という成績を残した。
目指す人間像
大谷野球の一番の特徴は、高校野球で身につけた「マルチプレー」と「ひた向きさ」を大リーグでも実践していることにある。投げて打って全力疾走する、そのために技術の向上と人格の陶冶を怠らない姿勢がある。教育の一環の高校野球と大リーグ野球とにその境界がなくなっている。
NHKは、しばしば大谷が高校1年の時に書いた野球上達の「目標設定シート」を紹介する。今、大リーグで彼がとっている行動や振る舞いのルーツがすでにシートに記述されている。技術が向上しプロになってしまえば、忘れてしまいがちになる。例えば、目標とする「人間性」では、「感性」、「愛される人間」、「思いやり」、「感謝」、「礼儀」、「信頼される人間」などがある。
「メンタル」では、「はっきりとした目標・目的をもつ」、「一喜一憂しない」、「頭は冷静に、心は熱く」、「ピンチに強い」、「雰囲気に流されない」、「勝利への執念」、「仲間を思いやる心」など。「運」では、「あいさつ」、「ゴミ拾い」、「部室そうじ」、「道具を大切に使う」、「審判さんへの態度」、「プラス思考」、「応援される人間になる」、「本を読む」だ。他に「食事は夜7杯・朝3杯」、「スピード160k/h」、「ストライクからボールに投げるコントロール」などもある。このような目標を実践する大谷が、超人的な野球をして称賛されている。
オールスターゲームでの投打の活躍、前日のホームランダービーでのフルスイング、その間のさまざまなパフォーマンスが大リーガーたちをも感動させた。まさに大リーグでの歴史的快挙だった。大谷の野球を見ていると、大リーグに何か大きな変革が起っているように思う。野球少年たちは、大谷の一所懸命がかっこいいのだ。今や公園で草むしりのボランティアをしているおばあちゃんたちの注目の的になっている。
大谷カメラ
大谷の目標設定シートに「本を読む」がある。あるとき解説者が大谷は中村天風に学んでいると口にした。詳細はわからないが、ああそうかと思った。中村は明治・大正・昭和にかけて独特の東洋的な人生哲学を説いた。心をくもらせるマイナスの思考(怒り、恐れ、憎しみ、妬み、恨み、煩悶、迷いなど)を排除した「積極的な心」を確立すること、それが天風哲学の要諦だ。私たちの失敗は、その多くがマイナスの思考から生まれ、これが苦しみの元となる。これを取り除くことに全神経を集中して道を拓くのだという。
確かに、大谷にはマイナスの思考が少ないように見える。7月11日のマリナーズ戦での誤審による三振には、苦笑いして右手を胸の位置で左右に振って打席から引きあげた。「審判さんへの態度」は身につけている。球審に向かってものを言えば、怒りと恨みの動作になって自分を苦しくする。「積極的な心」を維持してのやんわりとした意思表示だったことがわかる。
人々が大谷の投打走だけではなく、すべての動作に専用カメラをつうじてくぎ付けになるのは、大谷哲学の現れ出る瞬間の動きに注目するからだろう。水分補給のタイミング、次の打席に備えた表情、チームメイトとの談笑ぶり、今その場で出会う人々への自分からのちょっとした言葉がけや気遣い、フィールドでの「ゴミ拾い」など、冷静さと他者への思いやりが自らの『運』を拓いてきたと理解できる。
飛んできた折れたバット。グラブをとった左手で拾って、打者に笑顔で渡して背中にタッチする。このように瞬時の動作で相手を称える大谷に、コロナ禍にある世界の人々も心を癒されるのだと思う。
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