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北海道地震3年の教訓 生乳指定団体の〈共助〉が産地救う【記者 透視眼】2021年9月13日

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道内全域で大規模停電が起きた北海道地震から9月で丸3年。停電に伴い農業では特に酪農に大きな影響が出た。「酪農版BO(ブラックアウト)」の教訓は、自家発電の整備と、指定団体による〈共助〉の必要性だ。記者の〈透視眼〉からのぞけば緊急時の協同の力の効力がくっきりと見える。

■9月1~6日防災期間

9月1日は98年前の関東大震災にちなみ「防災の日」。JAグループ北海道は、この日から胆振東部を中心とした6日の北海道地震の教訓を忘れず伝えようと、9月1日から6日までを独自に「防災期間」と位置づけ、農業者への防災の自己点検を呼び掛ける。

特に、十勝や根釧など道東の酪農地帯を中心に、災害時の搾乳など作業体制の確保、自家発電の一斉点検や非常時のインターネットをはじめ通信手段の確保などを呼び掛ける。災害に強い農業は、持続可能な農業にもつながるとの思いからだ。

万が一の危機管理を想定した事業継続計画(BCP)は道内全JAで策定した。今年度は、収入保険などセーフティーネットへの加入を重点事項として促進していることにも注目したい。

■酪農版ブラックアウト

3年前の2018年9月6日、大地震に伴い北海道全道で長時間停電となるBOが起きた。国内の災害史上、前代未聞の出来事だ。

農業では特に生乳処理に大きな支障が出た。生乳は冷却しないと2時間ほどで品質劣化し、廃棄せざるを得ない。停電は、全国生乳生産の6割近いシェアを持つ道内酪農地帯を直撃した。これによって、首都圏をはじめ大消費地の牛乳供給に欠品が相次ぐなど大混乱を招く。今、一般家庭で冷蔵庫に牛乳を2本常備する傾向も、この時の供給不足から一気に広まった。つまりは「牛乳はいつでもどこでも飲める」とは限らず、消費者は大災害など非常時には手に入らなくなることを学んだ。

一部の大型酪農家は自家発電装置を持ち、ある程度の停電には耐えられる。だがその割合は全体の3分の一にも満たない。しかも、それらの酪農家も搾った原料乳を乳業工場に運んでも、受け入れられないでいた。乳業メーカーそのものが被災し停電で、操業できないでいたからだ。

■系統乳業「よつ葉」の先見

多くの乳業が停電で生乳の受け入れ不能の中で、十勝主管工場(音更町)などで通常通り生乳処理を行ったのが系統資本のよつ葉乳業だ。十勝の開拓農民一家を主人公としたNHK朝ドラ「なつぞら」のモデルともなった、ホクレン、全農会長を務めた立志伝中の農協人・太田寛一らが造り半世紀以上の歴史を持つ。

その伝統は脈々と今に生きる。万が一の際の備え。今春には道内4工場はもちろん、東京工場や子会社・くみあい乳業(旭川市)のグループ全工場でBOに対応した非常用電源完備を終えた。あわせて集中豪雨に備えた水害対策や断水対策も進めている。大半の工場用水は井戸水使用だが、電源が落ちれば揚水ポンプが止まる。その意味でも電源確保は重要だ。

■首都圏で「災害に負けなかったミルク」放映

よつ葉は、酪農版ブラックアウトに陥った震災3年も契機に、9月1日から首都圏で初めての同社ブランドCMを放映している。「酪農家がつくった会社」をアピール。さらには3年前の地震でも自家発電を用いて工場を操業し続けた強い思いを伝える「災害にも負けなかったミルク」なども流している。

■災害時こそ「協同の力」

北海道地震の教訓はいくつもある。中でも非常時の〈共助〉の力だ。中央酪農会議は「災害など非常時にこそ広域的なネットワークを持つ指定団体の役割が発揮される。単なる目先の損得で酪農を考えるべきではない」と地震の教訓を強調する。

特に生乳は、冷却しなければわずかの時間で変質し廃棄せざるを得ない。その危機を救い、最小限の被害にとどめたのが酪農地帯のJAと指定生乳生産者団体ホクレンの迅速な対応だ。自家発電機のリースや稼働できる工場への配乳変更などで廃棄生乳を抑えた。もろん、先述したよつ葉乳業も相当量の生乳を受け入れ保存の利く乳製品にした。

■指定団体の役割発揮

3年前は、規制改革で現行指定団体制度の廃止、生乳流通自由化が進んだ時期だ。だが、災害時に指定団体の社会インフラ機能、公的役割が発揮された。先例がある。5年半前の2016年4月の熊本地震。熊本は西日本最大級の酪農地帯だが、被災に伴い生乳輸送ルートは寸断されて行き場を失った。それを広域指定団体・九州生乳販連が他県との工場受け入れ調整などを行い、生乳廃棄を最小限に抑えた。

ホクレンは、生乳流通自由化が進んだ改正畜産経営安定法の下でも、指定団体が酪農経営の最後の守り手として大きな存在であることを改めて示した。

記者の〈透視眼〉でのぞけば、無謀な規制改革の欠点と指定団体の必要性がはっきりと分かる。

(K)

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