新政府の初閣議【森島 賢・正義派の農政論】2021年9月27日
総選挙は11月になるようだ。11月中には新らしい政府ができるだろう。初閣議で、何を決めるのか。
2か月後のことだから、まだ気が早いという人がいるかもしれない。だが、それまで政治の熱い季節がつづく。
明後日には自民党の新総裁が決まり、それに続く総選挙で自民党が勝てば、その人が首相になるだろう。野党が勝てば、いまの野党第1党の党首が首相になるだろう。いったい、政治はどう変わるのか、変わらないのか。
新しく首相を出そうとする政党が、初閣議で決めることを、国民の前に示すことで、これからの2か月が、濃厚な政治の季節になるか、白けた季節になるか、それが決まるだろう。
初閣議で、ゼロコロナとか、原発ゼロとか、格差ゼロとか、抽象的な政治理念を決めてもだめだ。そんなものは、国民の心に響かない。
古い話だが、トランプ前大統領は、選挙中にTPPからの脱退を公約し、就任した当日にTPP脱退の覚書に署名した。新らしい首相は、彼を見習ったらどうか。
上の図は、米価の大暴落を伝える日本農産情報(K.K.)の記事である。とうとう大台の1万円を切った。農水省の資料でみても、前年同月(8月)と比べて、軒並み大暴落である。
これは、農業に及ぼしているコロナ禍である。コロナは、日本の農業を根元から揺るがしている。
◇
さて、初閣議で決めるべきことは、空疎な政治理念ではない。理念では、コロナ禍は癒えないし、空腹は満たせない。抽象的なお題目は聞き飽きた。
決めるべきことは、具体的なゼロコロナ政策であり、具体的な原発ゼロ政策であり、具体的な格差ゼロ政策である。
それぞれを考えてみよう。
◇
初閣議で決めるべきゼロコロナ政策は
〇 初閣議の当日からただちに、「無料で、だれでも、いつでも、どこでも」という検査体制を整備する。
〇 1週間後までに、各都道府県に、大規模な、いわゆる「野戦病院」を新設して、自宅療養をゼロにする。
〇 1週間後までに、各都道府県に、現場の医療従事者と医学者を主体にし、行政の政治力を排除したゼロコロナ会議を作り、大幅な権限と必要で充分な財源を移譲する。
〇 今年中に、世界で最高級のコロナワクチンとコロナ特効薬を、国内で生産して使う。
〇 初閣議の当日ただちに決めることを農業でみると、それは、コロナ禍によって積み上がった米の、政府による市場隔離である。備蓄しておいて非常時に備え、幸いに不要になれば、家畜の飼料にし、輸入飼料を減らして穀物自給率を上げればいい。
◇
初閣議で決めるべき原発ゼロ政策は
〇 初閣議の当日からただちに、自然エネルギーの買い取り価格を2倍にする。
〇 初閣議の当日からただちに、40年を経た原発を廃炉にする。
〇 今後、永久に原発を新設しない。
◇
初閣議で決めるべき格差ゼロ政策は
〇 初閣議の当日からただちに、最低賃金を1、500円にし、1年後には2、000円にする。
〇 初閣議の当日からただちに、非正規雇用を原則禁止にする。
〇 初閣議の当日からただちに、消費税を5%にし、来年度はゼロにする。
〇 初閣議の当日ただちに、前政府が決めた、高齢者の医療費負担を2倍にする決定を取り消す。
◇
以上の政策に賛同する野党が集まり、11月の総選挙の共通公約にして、候補者を一本化すれば、勝利は間違いないだろう。
そうなれば、与党に激震が走り、与党の一部の立候補予定者が、野党に鞍替えすることさえ予想できるだろう。
(2021.09.27)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす症状 県内で初めて確認 愛知県2025年7月3日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 富山県2025年7月3日
-
【注意報】花き類、野菜類、ダイズにオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 愛知県2025年7月3日
-
【注意報】ネギ、その他野菜・花き類にシロイチモジヨトウ 県下全域で多発のおそれ 富山県2025年7月3日
-
【注意報】りんご、なしに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 宮城県2025年7月3日
-
【注意報】ねぎにシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 宮城県2025年7月3日
-
【注意報】セイヨウナシ褐色斑点病 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月3日
-
【注意報】いね 斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月3日
-
米の民間在庫量 148万t 備蓄米放出で前年比プラスに 農水省2025年7月3日
-
【スマート農業の風】(16)温暖化対応判断の一助にも2025年7月3日
-
令和7年度「家畜衛生ポスターデザインコンテスト」募集開始 農水省2025年7月3日
-
農業遺産の魅力発信「高校生とつながる!つなげる!ジーニアス農業遺産ふーどコンテスト」開催 農水省2025年7月3日
-
トロロイモ、ヤマノイモ・ナガイモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第347回2025年7月3日
-
【JA人事】JA町田市(東京都)吉川英明組合長を再任(6月26日)2025年7月3日
-
【JA人事】JAふくおか嘉穂(福岡県)笹尾宏俊組合長を再任(6月26日)2025年7月3日
-
国産農畜産物で料理作り「全農親子料理教室」横浜で開催 JA全農2025年7月3日
-
仙台牛・仙台黒毛和牛取扱い25周年記念「食材王国みやぎ美味いものフェア」実施 JA全農みやぎ2025年7月3日
-
「熊本彩果 いちごゼリー」モンドセレクション2025で金賞受賞 JA熊本経済連2025年7月3日
-
酪農危機に挑む夏 福岡の温浴施設が雪印メグミルクとコラボイベント開催 ナカシロ2025年7月3日
-
福井県と「産業振興に関する連携協定」締結 タイミー2025年7月3日