「三方よしの飼料米生産」【原田 康・目明き千人】2022年4月2日
トウモロコシや小麦などの先物相場が値上がりをしている。ウクライナの戦争が主要な穀物の国際的な需給に影響を及ぼしている。日本はトウモロコシや小麦を輸入に頼っている。農地が狭いのとこれらの収穫時期が梅雨や台風のシーズンになるのでアメリカやオーストラリア産に比べて競争に勝てないからである。これらの穀物の価格が上がるとパンや麺類の価格の他に家畜の飼料の値上がりは畜産農家を直撃する。
水田の活用として飼料米の生産を拡大すると次のような"三方よし"の効果が期待できる。先ずは人の食料と家畜の飼料の価格を抑える。次に食料の自給率を上げる。更に環境を守る。日本の農地、気候にはトウモロコシや小麦の栽培よりも水田のコメ作りが合っている。水田で飼料米を増産することが手っ取り早い方法である。家畜の飼料に回すことで畜産物の価格を抑えることが出来る。次に日本の食糧の自給率は38%であるが、これの大きな要因は畜産物の自給率が低いことにある。鶏卵の生産額ベースの自給率は98%であるが飼料のほとん
どが輸入品であるのでこれを差し引いた国産の飼料によるカロリーベースの自給率は12%となる。環境問題では水田の持つ自然のダム機能である。国土の66%が山林であり、農地が17%で残りが住宅地等である。山に降った雨を山林と水田が受け止めて自然のダムの機能を持つことで市街地が守られている。山間地の棚田は地域の観光資源ともなっている。
コメの需要も高齢化や食生活の変化で減少をしている。このままでは水田が減ってしまう。
水田は水の管理が命であり、川や池の水を栽培管理の時期に合わせて個々の農家の水田に引いてくるのには年間を通した地域全体での作物の栽培管理に合わせた水の管理と協力で出来ている。コメ作りをやめて水田を荒れ地にしてしまうと元の水田に戻すためには多大のコスト、時間がかかる。
水田の三方よしの機能を発揮出来ているのは農家がコメ作りで水田の管理をしているからある。コメ作り農家の経営が出来るようにサポートをすることが政策として必要である。
(原田康)
重要な記事
最新の記事
-
【JA人事】JAびらとり(北海道) 仲山浩組合長が再任2024年4月24日
-
【JA人事】JAいわみざわ(北海道) 引頭一宏組合長を再任2024年4月24日
-
【解題】基本法改正は食料安保をめぐる現場での課題にどう応えようとしているのか 谷口信和東大名誉教授2024年4月23日
-
第18回全農学生「酪農の夢」コンクール「学校賞」新設 作品募集中2024年4月23日
-
元卓球日本代表・石川佳純が全国を巡る卓球教室 大分で開催 JA全農2024年4月23日
-
運営9年目・稼働率約9割 地域に喜ばれる貸出農園事業を展開 JAマインズ2024年4月23日
-
量販店等に終売通告を行う白米卸も【熊野孝文・米マーケット情報】2024年4月23日
-
【JA人事】JAむかわ(北海道)長門宏市組合長を再任(4月10日)2024年4月23日
-
【JA人事】JAとうや湖(北海道)高井一英組合長を再任(4月12日)2024年4月23日
-
農繁期の人材確保へ「いわて農業未来プロジェクト」支援開始 タイミー2024年4月23日
-
栃木県那須塩原市 道の駅「明治の森・黒磯」リニューアルオープン2024年4月23日
-
いちご生産量日本一 栃木県真岡市のPR動画「もおかのいちご物語」公開2024年4月23日
-
「夏のさつまいも博2024」さいたまスーパーアリーナで7月4日から開催2024年4月23日
-
知財功労賞「経済産業大臣表彰」を受賞 ブランド戦略とユニークな登録商標の活用が評価 サタケ2024年4月23日
-
令和5年冷凍食品の生産・消費調査 出荷額は7799億円で過去最高 日本冷凍食品協会2024年4月23日
-
農業を志す学生450人が来場「食品・農業就活サミット」開催 シンクロ・フード2024年4月23日
-
全国道の駅公式オンラインショッピングサイト「道の駅マルシェ」オープン2024年4月23日
-
千葉県市原市「第42回 市原市園芸まつり」開催2024年4月23日
-
食や農業の未来に「あったらいいな」を募集「未来エッセイ2101」AFJ2024年4月23日
-
その場で当たりが分かる「甘果にんじん」春キャンペーン開催 ファーマインド2024年4月23日