2022夏季特集:PC
バイデン農政と中間選挙
左カラム_シリーズ_防除学習帖
左カラム_病害虫情報2021
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_JAまるごと相談室
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
左カラム:JCA160_86
FMCトップSP:育苗箱混合剤
JA全中中央①PC
プリロッソ粒剤オメガ:FMC(SP)センター

長寿企業の教えからJAの経営を再考しよう!【JAまるごと相談室・伊藤喜代次】2022年8月2日

一覧へ

長寿企業が大切にする、一に従業員、二に顧客、三に地域社会

A・ライフ・デザイン研究所 代表 伊藤喜代次A・ライフ・デザイン研究所
代表 伊藤喜代次

いまから40年ほど前、日経ビジネスが提起した「会社の寿命は30年」が話題を集めました。会社の成長や発展について、総資産や売上高などの変化を分析したもので、企業が誕生し、絶頂期を迎えて活動する期間は30年ほどであることを発見したのです。ただし、この調査は1896年(明治29年)以降、10年ごとの日本企業トップ100社のデータをもとにしたものです。

駆け出しの経営コンサルタントだった私にとっては、「会社の寿命は30年」というフレーズが、しっかり頭の片隅にインプットされました。そして、会社は人間同様に寿命があるということも。

一方で、日本の長寿企業数の多さは世界一です。創業から100年以上が経過しているわが国の老舗企業数は3万7,600社(2019年、帝国データバンク調査)でダントツの世界1位、2位はアメリカで1万9500社、3位はスウェーデンで1万4,000社。

私も40歳を過ぎ、ビジネスに関連して欧米の大学や研究機関への会議やワークショップなどに出かけていく機会が増えました。そこで感じたことは、海外の経営学者やコンサルタントの興味の一つが、「なぜ、日本には長寿企業が多いのか?」の疑問であること。

最初、この種の質問には、日本から参加している同僚の研究者の答えを拝借して、日本本土は戦火に遭うことも大きな天変地異の経験もない、島国であって競争よりも協調を重視する風土がある、などと答えていました。ちゃんと答えられるようにしたいと思い、関係書を読み、地方への出張の機会を使って、300年以上の歴史を持つ会社の代表者の話を聞かせてもらおうと思いました。

菓子折一つで、多くの関係者のお話を聞かせてもらいました。そのなかで、共通している点は3つ。第1は、従業員を大切にすること、第2は、顧客を大事に、育てること、第3は、地域のみなさんに喜んでもらえる地域社会との共生、です。さらに、経営の具体的な話で、印象深い話は「売上増は七難隠す」という言葉です。売上げしか見ていないと、経営は安定しない、進化しない、という話です。

見直したい、事業実績や取扱高ばかりに目を向ける経営

JAの歴史のスタートを戦後の農協法の施行の1948年とすると、JAの現在の寿命は74年。会社の寿命30年をはるかに超えています。だから、素晴らしい経営を行ってきた、といえるかどうか。相当に疑わしいですね。口の悪い人は、組合員に甘え、組合員の上に胡座をかき、困れば、政府に助けてもらったからだ、と言います。

私には、先の「売上増が七難隠す」が、JAにそのまんま当てはまってしまう、と思えるのです。売上げや取扱高が増えさせすれば、すべてよし、という風潮は、JAのなかに長らく続いたように思います。事業実績にこだわりすぎ、自らの改革や変革を棚に上げ、1970年代末から80年代にかけて、JAが行った組合員や職員を対象にした全利用運動の展開は恥ずべきものでした。組合員も職員も、JAの事業を全利用するのは当たり前であるという、きわめて傲慢な発想と強引な行動を運動化したものでした。この6年間の"逆走"が組合員のJA離れ、職員のJA離れを誘引した、と見ています。

当時を振り返り、JAの経営者から聞いた話は、事業高、契約高、取扱高の向上は、組合員のJAに対する支持度を表している、JAは組合員組織であり、組合員の結集度でもあると、上部組織から言われたようです。

「七難」の課題解決へ知恵とアイデアは現場職員にあり

時代が変わり、JAの公式な文書にも、組合員志向、組合員満足、組合員にとっての組織価値などの言葉が頻繁に登場しています。しかし、JAの業務報告書の組合長挨拶を読むと、組合員への感謝とJAへの信頼と安心を求め、将来に向けた経営の理念や方針を論じるのではなく、厳しい環境の中で、今年度の事業実績を中心に説明しています。

売上増よりも「七難」に向き合い、事業実績如何に関わらず、組合員対応やサービス内容、JAの事業体制、支所や事業所などの店舗施設、職員の資質・教育など、先送りせずに取り組むことです。その際、重要なことは、現場の職員が解決の知恵を持っていること。毎日、組合員と接している職員は理解しています。

最近は、事業実績は下がっても、収益性を重視しろ、という経営者も増えました。でも、収益を生み出す事業を行うことは、できるだけ経費をかけずに、現有勢力で事業を行って収益を上げろという意味です。そうなると、利用する組合員数や利用者数を増やすか、利用単価・頻度を上げるか、あるいは、利用度の高い組合員の利用を増やすことを優先すべきか、いずれかを実行するです。それを、一番理解し、実行できるのは、現場の職員です。

これまで先送りしてきた「七難」のなかで、優先度の高い課題から解決していく必要があります。スピード感をもって取り組むためには、現場の職員の知恵やアイデア、意見をしっかり聴き、活かすことです。組合員や顧客から遠い存在の職員には、具体的なアイデアはありません。

長寿企業がもっとも重要視することの一番目にあげているのは「従業員を大切にする」ことです。経営者は、「七難」を解決するために、そして、経営の成長のために「従業員を大切に」しています。

最新の記事

シンジェンタ右上長方形:SP

みどり戦略

住友化学住友化学右正方形2SP

注目のテーマ

注目のテーマ

JA人事

JA共済連:SP

注目のタグ

JAバンク:SP
topへ戻る