【JCA週報】水・食料・エネルギーの自給と自立―会津電力の設立と地域資本(佐藤彌右衛門)2023年1月24日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中代表理事会長、副会長 土屋敏夫日本生協連代表会長)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
今回は、本機構の協同組合研究紙「にじ」の最新号である2022年冬号に寄稿いただいた「水・食料・エネルギーの自給と自立―会津電力の設立と地域資本」です。
水・食料・エネルギーの自給と自立―会津電力の設立と地域資本
佐藤彌右衛門
会津電力株式会社
名誉顧問
会津エナジー株式会社 代表
はじめに
2011年3月11日から始まった東京電力福島第一原子力発電所の事故は、日本のみならず世界全体を震撼させ、恐怖に陥れた。この国家と一企業に起因する原発事故は、福島をはじめとする地域に甚大な被害を与え、10 年を過ぎてもなお、放射能の汚染を受けた土地とその住民には、物理的にも精神的にも非人道的な苦しみを与え続けている。本来、長期にわたるこの事故の解決は、汚染された帰着不可能な地域住民の愛着を超えたとしても、50年以上のロックアウト封鎖措置をすべきであり、国が全面に立ってその封鎖域の住民を説得し、理解を得て、新しい生活環境とその住民自立の支援をしなければならない。それなのに政府は、被害を受けた市町村住民の帰着思考を促し、自治体まかせの判断を押し付けている。この国の政治家や民間人も日本人としての倫理観を忘れ、また非道と知りながらも知らんふりをし、卑怯者としか言えない言動を取っている。
今もなお、東京電力福島第一原子力発電所の4基の原子炉事故は続いており、収束などという言葉は全く当てはまらない。汚染水の処理、汚染地下水の海洋放出、広大な地域の除染、避難民への保障と賠償、減容化施設の設置、中間処理施設の設置、最終処分場等のアセスメント(環境影響評価)と地域の選択などと、今後も膨大なヒト・モノ・カネが必要である。この人災に対し、政府は破綻同然の東京電力に企業責任を取らせることはない。また政府も事故に対する責任を逃れようと、東京電力を生存させ、東京電力の企業責任を盾にしつつ、無担保無保証で総額9兆円の資金供与をしている。企業も国も責任は一体であるはずなのに、いずれのリーダーも矜持を持たず、国家的な事故に対する国民の覚醒を避けるよう逃げ続けているように思われてならない。
しかしながら、国民である私たち自身もまた、原子力発電の危険性を知りながらはっきりとは否定せず、他のエネルギーへの転換を進めてこなかった。このことにも、同等以上の責任がある。
以下の章立ては下記のとおりです。JCAのウェブサイトにて全文を掲載しておりますので、ご覧ください。
会津のエネルギー自給力
酒造業と酒米の自給
自然エネルギー会社設立の思い
会津産エネルギーへの出資者
OSの書き換え
会津電力の発展
共有的/協同組合的会社
本当の豊かさとは
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日