どうする"観光公害"【消費者の目・花ちゃん】2024年3月23日
コロナ禍が一段落して、訪日外国人数が順調に回復しています。大手旅行代理店のJTBが発表した2024年の年間旅行動向見通しによると、訪日外国人数は新型コロナウイルス禍前の2019年を4%上回る3310万人となり、1981年の調査開始以来過去最高となるとのことです。
それに伴って、観光地に多くの観光客が押し寄せるオーバーツーリズムが、「公共交通の混雑」や「ごみの散乱」など、地域住民の生活へ影響を与える数々の問題を引き起こしています。
中でも特に深刻なのは京都の交通混雑で、その中でも市民の足として重宝がられているバスは、輸送能力をはるかに超える観光客でごった返しています。大人一人くらい入れそうな大きさのスーツケースを複数持ってバス停に立っている大勢の観光客を見ると気が遠くなります。地元の皆さんは、さぞ困っていらっしゃるだろうなと思います。
SNSで情報拡散のスピードが加速したことで、今まで「知る人ぞ知る」存在だった場所にも海外から多くの観光客が訪れるようになりました。地域の観光協会が海外に向けて情報発信して海外からの観光客を呼び込むことに成功しても、外国語でのおもてなしができるなど受け皿が整備されていないと、それが新たな問題を生むことになります。
富士山にもオーバーツーリズムの影響が出ています。海外からの観光客の増加の後押しもあって、2023年は22万人が富士山に登ったそうです。登山は夏季に集中することもあり、交通インフラに渋滞を発生させ、ごみの不当放棄など環境への悪影響も出てきています。
観光資源の維持と観光客の誘致という一見すると二律背反する課題をどう両立させるのか、これからが正念場です。
(花ちゃん)
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