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東京栄えて地方滅ぶ【小松泰信・地方の眼力】2024年6月19日

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政府は6月10日、「これまでの地方創生の取組による成果とともに、残された課題と新たな課題及びこれらを踏まえた今後求められる取組の方向」を示した『地方創生10年の取組と今後の推進方向』(以下、「報告書」と略)を発表した。

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ここでも失われた10年

 この10年間において、「地方創生の取組の成果と言えるものが一定数ある」と控えめな評価のあと、「国全体で見たときに人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っておらず、地方が厳しい状況にあることを重く受け止める必要がある」と冷静な判断を下している。加えて、「成果が挙がっているケースも、多くは移住者の増加による『社会増』にとどまっており、地域間での『人口の奪い合い』になっていると指摘されている」ことを素直に記している。
 要するに、「期待通りの成果なし」との総括。
 今後の取組として、「東京圏への過度な一極集中への対応」など10項目を提示しているが、大逆転を予感させるものなし。
 最後に、「人口減少や東京圏への一極集中の流れを変えることは容易ではなく、地方創生の取組についても望ましい成果が出るまでに時間を要するものがある」とその困難さを嘆き、今回の「報告書」を契機に、「それぞれの自治体が主体的に行う地方創生の取組を強力に後押ししていく」と記すに止まっている。

免れぬ政府の責任

 河北新報(6月14日付)の社説は、「多額の予算を投じながら、人口減少と東京一極集中が逆に加速したのはなぜか。地方への移住者の増加などわずかな成果を強調して、責任をあいまいにしてはならない。政府はまず、目的を達せられなかった要因を詳しく分析し、明らかにする必要がある」と、政府に厳しく迫っている。
 20年時点の実際の人口が13年公表の将来推計人口を上回った自治体が736市区町村。うち55市町村が福島を除く東北5県。その類似点から、「目立つのは周辺からの流入が見込まれる県庁所在地やそのベッドタウン、または各生活圏域で中心となっている市や町だ」として、「本当に地方創生施策の成果と言い切れるのか」と疑問を呈する。
 他方、外国人を除く人口移動が28年連続で転入超過の東京圏は子育て環境が悪化し、都の「合計特殊出生率」は0.99。
 これらから、国の総合戦略で定めた「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」という基本目標の実現は、「この10年でさらに遠ざかったと言わざるを得ない」と慨嘆する。

低下する政府の熱意

 「政府は地方創生の失敗を率直に認め、原因を追究した方がよい。不明確なままでは、この先の人口減少対策もさしたる成果が出ないだろう」と冒頭から苦言を呈するのは西日本新聞(6月17日付)の社説。
 「報告書」についても、「残念ながら成果や課題の分析が甘く、今後の施策に生かす道筋も具体的ではない」と手厳しく、「10年前に比べ、地方創生に対する政府の熱意は明らかに低下している」と政府の姿勢を嘆き、岸田文雄首相が打ち出した「デジタル田園都市国家構想」についても「影が薄い」と容赦ない。
 地方創生に取り組む自治体を支援する立場を強調してきた政府に対して、「政府の責任でやるべきこと」を明確にすることを求め、具体策として「少子化対策」と「東京一極集中の是正」をあげている。

膨張するな東京都

 一極集中都市・東京の都知事選が喧しくなっている。人口約1400万人の首都の動向は、まちがいなく国全体に大きな影響を及ぼすことになる。
 京都新聞(6月17日付)の社説は、東京都が他都市から人口が流入する半面、長年にわたり低出生率が続いてきたことから、吸い込むだけの「ブラックホール型自治体」と呼ばれていることに言及し、「都自身が『抱え込み』から集中是正に乗り出すべきではないか」と提言。「小池都政2期目の目玉だった東京五輪・パラリンピックは、招致した際の『コンパクト』が置き去りになり、巨額の公費が追加投入された。閉幕後は贈収賄や談合が発覚した」ことも取り上げ、都民に良識ある判断を求めている。
 毎日新聞(6月19日付)において、元京都府知事で全国知事会長経験者の山田啓二氏(現京都産業大理事長)も、「人口減少社会に突入した今、東京だけが繁栄を続ければよい時代ではなくなった。地方と連携し、日本全体を見渡す目配りがほしい」と注文する。小池氏が初当選したとき、知事会長として「東京一極集中の現状を踏まえれば、東京だけでなく、地方の立場も理解できる、バランスの良い都政を作ることを期待している」とのコメントを出したことに触れ、「地方自治体同士、お互いに支え合うことも多い」ことから、「地方自治体のリーダー」になる要素を都知事に求めている。
 「中心が全てを吸収し続ければ、周囲は崩壊を始める。日本を代表する都市のリーダーとして、単一でなく、他地域も繁栄しながら、東京が発展する複合的な視点を持ってもらいたい」と訴え、「重要なのは、人口減少の時代に、まだ一極集中の膨張政策を続けるのか、それとも、時代に合ったパラダイムチェンジ(劇的な変化)を行う政策なのか」として、東京にダウンサイジング(規模縮小)化を求めている。
 
東京の衰退なくして地方の蘇生なし

 毎日新聞の同一紙面で、山内明美氏(宮城教育大准教授)は、自分史に基づきながら、東京を「東北などを搾取して肥え太ってきた近代日本の象徴」と位置付ける。さらに、近代の東北が東京へ労働力や農作物、エネルギーを供給してきたことから、「『東京を作ったのは東北だ』とすら言いたくなる」と、心情を吐露する。
 「東京=『中央』に批判的な視点を持てたのは、皮肉だが東京のおかげ」としたうえで、「関連予算計18億円の都庁のプロジェクションマッピングなどは、どうにかできないものか。東日本大震災後、各地で大地震が相次いでいる。福島での廃炉作業はまだまだ続くが、原発は再稼働されつつある。物価上昇に貧困問題に......。この現実をプロジェクションマッピングの虚構で乗り切れるのか。東京は、まだ地方の上であぐらをかき続けるのか」と怒りを隠さない。
 当コラム、疲弊した地方を創生ではなく蘇生させるためには、東京都の衰退が不可欠と考える。山田氏が指摘した東京都のダウンサイジングには賛成。ただし、わが身を削ってでも地方が栄えることを希求する、成熟都市としての度量と器量があればの話。

 「地方の眼力」なめんなよ

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