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(435)くれぐれもご注意を【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月16日

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 暑くなってきました。事故にはくれぐれもご注意下さい。少し異なる業種の事故から教訓を見てみましょう。

 厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」1 の一番下、「その他」の中に「建設業の一人親方等の死亡災害発生状況(令和5年)」という統計がある。

 内容を見ると、令和5年1年間で発生した「一人親方等」の死亡災害件数は80件である。「等」の意味は「中小事業主・役員・家族従事者・詳細不明」と注がある。対象が建設業のため、分類としては、土木工事、建築工事、その他などとなり、80件中51件が建築工事に関係している。このあたりまでは容易に想像できる。

 事故の類別/起因物別では、80件中51件が「墜落、転落」である。次に多いのは「はさまれ、巻き込まれ」で5件、以下、「崩壊、倒壊」、「切れ、こすれ」「有害物等との接触」などが各々数件記載されている。

 さて、ここからが今回の本題である。事故件数最大の「墜落、転落」、これは正確にはどこからか落ちたか、である。

 数字を見ると51件の内訳は、「足場」(13件)、「屋根、はり、もや、けた、合掌」(11件)、「はしご等」(11件)で全体の7割がこの3つに集中している。

 足場と屋根、はしごはわかりやすい。問題は次だ。「はり」から落ちた、「もや」から落ちた、「けた」から落ちた、「合掌」から落ちた...、建設業に従事している人を別とすれば、現代日本人にこの区別はかなり難しいかもしれない。

 子供の頃からマンションなどに住んでいれば、恐らく天井裏など見たこともない可能性が高い。実際、既に成人した筆者の子供たちですら、恐らくこの言葉の違いはわからないのではないか...という懸念が生じたのである。

 調べてみればすぐに違いはわかる。例えば「もや」とは「母屋」であり、屋根の斜め部分を横(勾配に対して垂直)に支える建材である。「はり」は「梁」、「けた」は「桁」と書く。三角形の屋根を正面から見た場合、底辺に相当するのが「はり」であり、屋根の勾配面を正面から見た四角形の長辺の底辺が「けた」である。ちなみに上辺は「棟木(むなぎ)」である。したがって、「母屋から落ちる」「梁から落ちる」、「桁から落ちる」のは同じ転落でも落ち始めた場所(起因物・起点)が異なる。さすがに「合掌」は「合掌造り」などで有名なため、言葉は聞いたことがあるとは思うが、実態はどうだろうか。

 筆者は子供のころ、自宅や友人の家でよく一緒に屋根裏で遊んだ。そこで様々に組み合わさった木を見た。そうした話をすると父からはそれは「梁」、それは「桁」などと教えてもらった記憶がある。

 ところで、先の統計に戻れば、全体80件のうち、「等」を除いた完全な「一人親方」による死亡事故は53件である。その中で、年齢別に見た場合、圧倒的に事故が多いのは50~59歳28件、60~69歳19件である。40歳未満は2件に過ぎないが、70歳以上も7件記録されている。自分自身は「まだまだ大丈夫」と感じていても、こうした数字は容赦無い現実を突きつけて来る。

 考えてみれば現代社会の中には建設業に限らず実質的に「一人親方」的な仕事をしている人も多いであろう。家族経営の農家はその代表例かもしれない。何年も繰り返してきた慣れた仕事、勝手知ったる自分の田んぼや畑、ではあるが、やはり細心の注意を払って作業をし、無事故であることを心から願う次第である。

 こちらは近いうちに授業の雑談で「はり」と「けた」の違いを理解しているかどうか、学生に聞いてみようと思う。

* *

 日常生活の中に注意すべきポイントはいくらでもありますね。

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