黒字転換で収益改善 農薬・医薬が牽引した2025年3月期決算 住友化学2025年5月16日
住友化学株式会社は5月14日、2025年3月期連結決算を発表した。売上収益は前年同期比6.5%増の2兆6,063億円、コア営業利益は1,405億円と大幅な黒字転換を果たした。特に、農薬を含む「アグロ&ライフソリューション」や医薬事業「住友ファーマ」の好調が全体業績を支えた。
住友化学株式会社が発表した2025年3月期の連結決算(IFRS)によると、売上収益は前期比1,594億円増の2兆6,063億円となり、黒字化への転換を果たした。コア営業利益は1,405億円(前期は赤字1,490億円)、営業利益は1,930億円、親会社株主に帰属する当期利益は386億円と、いずれも大幅な改善となった。
なかでも注目されたのが、農薬や飼料添加物などを扱う「アグロ&ライフソリューション」分野である。北米では市況がやや軟調だったものの、インドなどの新興国で出荷が堅調に推移した。売上収益は前年比246億円増の5,402億円、コア営業利益は286億円増の550億円となった。
また、医薬関連を手がける「住友ファーマ」では、北米市場での新薬販売が拡大。研究開発投資の選択と集中により販管費も抑制され、コア営業利益は前年の赤字から353億円の黒字へと大きく改善した。売上収益も842億円増の3,980億円となっている。
キャッシュ・フロー面でも改善が見られた。営業キャッシュ・フローは前年の▲513億円から2,330億円へと大きく改善。フリーキャッシュ・フローも3,183億円の黒字を計上し、今後の戦略投資にも一定の余裕が生まれている。
2026年3月期の見通しとして、同社は売上収益2兆3,400億円、コア営業利益1,500億円、親会社帰属利益は400億円と予想しており、堅調な収益基盤の維持を掲げている。
今後も農業分野においては、グローバル展開や高付加価値製品の開発を通じ、食料生産の安定化や環境負荷軽減に貢献する姿勢が注目される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(155)-改正食料・農業・農村基本法(41)-2025年8月16日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(72)【防除学習帖】第311回2025年8月16日
-
農薬の正しい使い方(45)【今さら聞けない営農情報】第311回2025年8月16日
-
(448)郷愁とノスタルジー【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年8月15日
-
あらゆる暴力の即時停止を 被爆・戦後80年にメッセージ発表 パルシステム連合会2025年8月15日
-
京都府「第3回京のこだわり畜産物レシピコンテスト」開催2025年8月15日
-
「パンのフェス2025」三井アウトレットパーク木更津で9月に開催2025年8月15日
-
機械審査なし「お米番付12回大会」エントリー開始 八代目儀兵衛2025年8月15日
-
東京23区の住民 過去1年間に森林を訪れたのは3人に1人 森林総研2025年8月15日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋冬野菜の病害虫防除 異常気象こそ先手対応を2025年8月14日
-
見なくなった案山子、燕・雀・烏【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第353回2025年8月14日
-
花がよく売れるお盆・彼岸から見えてくる花産業の問題点【花づくりの現場から 宇田明】第66回2025年8月14日
-
渡り鳥「キビタキ」「ノビタキ」越冬地との間の移動経路を明らかに 森林総研2025年8月14日
-
国産・添加物削減・減農薬にこだわり「デポー国領駅前」リニューアルオープン 生活クラブ生協2025年8月14日
-
果実のフードロス削減・農家支援へ「キリン 氷結 mottainai 浜なし」再登場2025年8月14日
-
【役員人事】バイエル(9月1日付)2025年8月14日
-
「地元で働きたい」に応える 地域限定採用で安定雇用も実現 パルシステム埼玉2025年8月14日
-
政府の「米増産」方針 立ちはだかる「壁」と拭えぬ不安 産地JAと米農家の声2025年8月13日
-
【サステナ防除のすすめ2025】果菜類(施設)編 太陽熱で死滅狙う(1)2025年8月13日
-
【サステナ防除のすすめ2025】果菜類(施設)編 太陽熱で死滅狙う(2)2025年8月13日