シンとんぼ(168)食料・農業・農村基本計画(10)世界の食料需給のひっ迫2025年11月15日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。
その一環でシンとんぼでは、大本の法律である食料・農業・農村基本法(2024年6月改正)の条文の理解を深め、シンとんぼなりに基本法をしっかりと学べたのではないかと思っている。
現在、同法の理念を実現する具体的な内容を記した(であろう)2025年4月11日に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」(以降、「基本計画」)の詳細を検討しながら、基本法の理念がどのように反映され、どうやって実現しようとしているのか等を検証し、農業現場で何がなされなければならないのか探ろうとしている。
現在、「第2部食料安全保障の動向」のうち「1 世界の食料の需要と供給」に挙げられている事項について紹介しているが、今回はこの項の最後の「世界の食料需給のひっ迫」について紹介する。
世界の食料需給は、短期的には天候要因による豊凶等の影響により変動しつつ、人口の増加によって需要が大きくなる中、農地面積の拡大鈍化などの理由により食料供給能力の鈍化が見込まれ、長期的にはひっ迫していくことが想定されている。
需給動向の評価には、在庫率や食料価格指数を注視する必要があるとしている。
まず在庫率(消費量に対する在庫量の割合)は、食料の在庫が減少すると食料価格が上昇する傾向にあり、市場には適正な在庫量が必要とされている。
現在の在庫率(米国農務省発表)によると、主要農産物の在庫率は2023/24年度時点で小麦33.5%、大豆29.3%、なたね12.1%、とうもろこし25.9%となっており、2020 年頃まで各品目で在庫率が向上していたものが、近年では総じて微減傾向にあるとのことである。
次に、食料価格指数であるが、FAO が公表する食料価格指数は世界の主な食料価格の動向を指数化したもので、穀物や植物油等の主要品目別の価格指数が公表されている。これによると、近年では2022 年3月に新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵略等の影響により高騰したが、今後も、天候要因による短期的な不作や、農産物市場への投機資金の流入、地政学的リスク等の影響に食料価格指数の上昇が見込まれるとされている。
つまり、世界の食料の在庫は少しずつ減っており、それに応じて食料価格も上昇すると見込まれている。このことからすると、世界から多くの食料を輸入している我が国の食料事情はますます先行きが厳しい状況になると見込まれ、当然のことながら国内の食料生産体制の強化が待ったなしに求められることは誰の目にも明らかである。このような状況にあっても、国全体に危機感が足りないように感じるのはシンとんぼだけだろうか?
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