「おこめ券」が泣いている【森島 賢・正義派の農政論】2025年11月17日
●おこめ券が普通の商品券になる
鈴木憲和農相が、就任早々に言い出したのが、「おこめ券」である。だから、鈴木新農政の看板政策なのだろう。国民の全員に5,000円のおこめ券をタダで配るというのである。人口は1.2億人だから、掛け算すると6、000億円になる。これが、財政支出の金額である。
だが、この政策が何を目的にしているか、が分からない。だから、賛成する人は、それほど多くない。そして、この看板は次第に色あせてきた。そうして、いまは物価高騰対策の一部になりつつある。
つまり、このおこめ券で、食品なら何でも買えるようにする。そういう「食品購入券」にする。さらに、コメでなくても、食品でなくても、何でも買える「普通の商品券」にする。政府は、そういうものにしようとしている。
しかし、新農相の反論が聞こえてこない。おこめ券は、新農相の浅はかな思い付きだったのか。
●鈴木農相の看板政策が泣いている
おこめ券は普通の商品券になってしまう。そうなると、おこめ券でどれ程のコメを買うことになるか。それを考えてみよう。
おこめ券は、何でも買える普通の商品券になるのだから、国民がコメを買う金額は、それぞれの世帯ごとの効用が最大になるように決めるだろう。
その金額をみてみよう。政府の「家計調査」を資料にして、一次近似で推計すれば、コメへの支出金額は、消費支出額の0.62%になる。
これを財政支出額でみると、おこめ券のための6,000億円のうちの0.62%、つまり、37億円がコメに支出されるにすぎない。
コメ政策としてのコスパでみるとどうか。6,000億円のコストを使ったコメ政策としてのパフォーマンスは6,000億円以上になるどころか、僅かに37億円である。おこめ券が、涙を流して泣いている。
また、この金額では、いまアメリカから買おうとしている戦闘機は、1機で約300億円だから、エンジンのない戦闘機?くらいしか買えない金額だろう。新農政の看板政策が、涙を流して泣いている。
なぜ、こんな惨めなことになってしまったのか。新農相が、確固とした農政哲学を持っていないからではないか。確固とした農政哲学を考える資質を欠いているからではないか。そうかといって、国民は、泣いてはいられない。
(2025.11.17)
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