グルメ観光【イタリア通信】2025年11月29日
イタリア人は生まれ育った土地の食べ物をとても大事にしています。「おふくろの味」というよりも昔から伝わる「おばあちゃんの味」です。
ですからイタリア中どこに行っても自慢の料理、自慢の食材に出会えます。
ナポリを州都とするカンパニア州は人口540万人、面積13.700平方キロ。そのカンパニア州が土地特有の食とワインの観光をプロモートする「カンパニア、至高の味」と題した下記のようなイベントを州内八つの町で開催を企画しました。
初めはナポリ
4月ナポリ「地中海ダイエットの秘密」
・料理のテーマ:地中海の三位一体 穀物、ワイン、オリーブオイル、トマト、豆類。
5月 カセルタ「白の女王」
・料理のテーマ:水牛のモッツァレッラチーズ、オリーブオイル。
6月サレルノ「不思議の国のアンチョビ」
・料理のテーマ:アンチョビ、マグロ、魚醤(コラトゥーラ)ほか。
6月カンピ・フレグレイ(ナポリの海岸地区) 「海を耕す場所」
・料理のテーマ:ムール貝、アサリ、テッリーナ(小型ハマグリ)、青魚など。
7月アヴェッリーノ(内陸)「バッカス(酒神)の蜜」
・料理のテーマ:ワイン、トリュフ、クルミ、生ハム。
9月サレルノ(海岸の町)「魂の糧」
・料理のテーマ:アーティチョーク、タマネギ、歴史的オムレツ、豆類、ジェラート。
10月ベネヴェント(内陸)「調和の林檎(Pomo della Concordea)」
・料理のテーマ:アヌルカ種リンゴ、カチョカヴァッロ(チーズ)、ファランギーナ(白ワイン)、生ハム。
12月ナポリ「巨匠とマルゲリータ 」
・料理のテーマ:ピッツァ。
このプログラムを見れば、秋田県ほどの面積のカンパニア州にこれだけ沢山の料理や食材があることが分かります。
私は10月に行われたベネヴェントのイベントに参加しました。

会場は州内のサンタ・アゴスト・デ・ゴーティという、二つの川に挟まれた断崖の上に立つ人口1万人ほどの中世の町。私はこれまでこの町があることを全く知りませんでした。
しかし歴史を見るとローマ時代にはすでにSaticulaという町があり、デ・ゴーティという名はは5世紀にゴート人に占領されたためにつけられたと言われています。
中心部は中世の建物がそのまま残り、狭い石畳の道、教会、貴族の館が点在します。
会場は Castello Ducale di Sant'Agata de' Goti(サンタアガタ・デ・ゴーティ公爵城)の Sala Affreschi(フレスコ画の間)です。

壇上には簡単な料理設備が置かれ、土地のレストランのシェフや郷土料理のお店のオーナーなどが土地の産物を使った料理を披露。料理評論家や大学の栄養学の教授などが説明を加えていました。
テーマのアヌルカリンゴはこの地方の特産物。古代ローマ時代から知られており、小ぶりで丸く、赤みが強く香りが高くて「リンゴの女王」とも呼ばれています。
そして収穫後すぐには赤くならず、藁を敷いた場所で数週間から数か月寝かせて赤く熟させます。
Sant'Agata De' Gotiの町の中心にMusutilliというワイナリーがあり試飲が出来ます。

この地域には地元品種のFaranghinaというブドウがあり、ムスティッリ家は代々このブドウを保護しており、1970年代に町の中心にワイナリーを作り、建物の地下に洞窟を掘って(私の大好きな)白ワイン、ファランギーナを熟成させています。

このようにイタリアのあらゆる地方にそれぞれ特有の料理、産物があり、中には数百年、千年以上の昔から続いている食べ物や産物があります。それらを支えているのは大きな企業ではなく、チーズや生ハム、サラミソーセージなどを作っている家族経営の農家です。国や州政府は産物だけでなく、自然や景観を維持するために力を入れています。
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