【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】2026激震する世界政治 対中姿勢問われる高市政権2026年1月22日
2026年はトランプ米大統領によるベネズエラ侵攻という激震で幕を開けた。わが国ではいきなり解散、総選挙を迎える。今回は年明けからの世界情勢を整理してもらった。

元外交官-東郷和彦氏
2025年をしめくくるにあたり、トランプ大統領が、「国家安全保障戦略(NSS)」を発表し、今後「西半球に安定的関係を築き、モンロー主義の『トランプ的適用』を実施する」と宣明したことを述べた。
2026年1月3日早朝、アメリカ軍は西半球の中核にあるベネズエラを攻撃し、マドゥーロ大統領夫妻を拘束し、直に、ニューヨーク市に搬送した。トランプ政権は、かねてからマドゥーロ氏を合法的な大統領とは認めず、麻薬密輸などの罪で起訴していた。
しかし、外国元首を自国の武力で拉致する手段が、国際法上合法であるかについては、強い異論がある。ジェフリー・サックス・コロンビア大学教授は、「まったく合法性がない」と厳しく批判するとともに、「1947年から1989年の間、米国は70件の体制変更のための軍事作戦」を実行し、冷戦終了後も、5件以上のそのような作戦を行ってきたと指摘している。
マドゥーロ氏は直に米国国内手続きに従って裁判されるとともに、アメリカは、残ったロドリゲス副大統領が率いる暫定政権との協力体制を構築。同時にトランプ氏は、「安全で適切、賢明な政権運営が実現するまで、この国を運営していく」(3日記者会見)と述べ、事実上、アメリカがベネズエラの巨大な石油利権を掌中に収めたようである。
このことは、中国とアメリカの権益が正面衝突したことを意味する。中国が世界から輸入する石油の5~7%がベネズエラ産とされ、中国企業がベネズエラに持つ石油権益は、120億~150億バレルという試算もある(1月8日日経)。
軍事作戦の戦略的意味が、アメリカが東半球で派遣を争う中国の西半球における権益をそぐためと理解すれば、わかりやすい。NSSに冷静に立脚すれば、冷徹なシナリオ通りの展開ということになる。
更に1月4日、トランプ大統領は、かねてから表明していた、西半球の北極海に位置するグリーンランドへの領有企図を再表明、特に中露への警戒感を強調。6日、デンマーク、英、仏、独、伊、ポーランド、スペインが断固反対する共同声明を発表。18日トランプ氏は、反対する欧州諸国への関税措置を発表。
ノーベル平和賞を希求する大統領から、アメリカの覇権のために断固武力を使う指導者にトランプ氏は変貌したのか、深刻な問いが浮上したことは否めない。
かたや日本が、昨年11月7日より、台湾有事をめぐる高市国会答弁によって、対中関係が最悪の事態になったことは、昨年末の寄稿で述べた。
高市総理は、11月10日の衆院予算委員会で「今後反省点としては特定のケースを想定したことについて、この場で明言することを慎む」と述べ、種々の機会にこの立場を繰り返しているが、答弁の撤回だけはしておらず、中国側の猛批判に歯止めがかからない。
中国側は、じわじわと首の輪をしめてきている。当初の激しい舌戦やプレスの前での無礼な行為についで、対日観光客の減少、ホタテ等の海産物の対中輸出の停止、訪問団の相互削減等の実害が出始めた。
1月5日、韓国の李在明大統領の北京訪問では、習近平主席は今こそ連携して日本批判をすべきと説いた。
1月6日中国政府は軍民両用(デュアルユース)の規制に基づいて日本への輸出規制を強化することを決め、日本政府は強く反対する行動をとり始めた。
他方、奈良における高市・李在明会談談(1月13日)は日韓連携の「見える化」として、興味深い展開を示した。高市総理は、高支持率を背景に、1月19日、衆議院解散を声明した(投開票2月8日)。立憲民主党と公明党は「中道改革連合」を結成し、現野党の勝利をめざすこととなった。
トランプの世界政治に与える激震が大きくなる中で、対中対立を深める高市政権の圧勝にいたるのか、重要な選挙が到来することになった。
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