共済・保険分野のデジタル活用について考える AOAセミナー2016年10月26日
国際協同組合保険連合アジア・オセアニア協会(AOA)は、会員団体の役職員を対象にした「AOAセミナー2016」を10月25日、東京都千代田区のJA共済ビルカンファレンスホールで開いた。9か国29団体(うちAOA会員19団体)約200人が参加した。ホスト団体はコープ共済連、JA共済連、全労済。
開会の挨拶をAOA会長でJA共済連代表理事理事長の勝瑞保氏が行い、ICMIF国際協同組合保険連合やICMIFアジア・オセアニア協会の設立などの説明を行った。「セミナーは2年に1度の開催。専門家による講演などを交え、社会・経済の最新の情報や加盟団体に共通する課題への対応などについて考えを深めていただきたい」とした。
さらにホスト3団体を代表して全労済の中世古廣司理事長も挨拶。昨年ミネアポリス(アメリカ)で行われたICMIF総会に出席し、「ますます進展するデジタル化やこれまでの契約者と異なる消費行動をとる若年層への対応が急務であると課題を共有した」と話した。
◆ ◇
セミナーのテーマは「明日の利用者を今日つかむ」。デジタル技術の活用と若年層に焦点をあてたセッションとなった。JA共済連の担当者は若年層について、「開店時間以内に来店して保険の契約をすることが難しい世代と定義。保険に馴染みの少ない世代でもあるので、デジタルを使ってPRしていくことができれば」と話した。
今回のテーマであるデジタル技術は、保険の効率化を図る目的と、「保障やサービス」の付加価値という2つの視点で講演が行われた。同担当者は「業務が効率化されると時間に余裕ができる。これを組合員の方々に還元する時間にあてていきたい」とした。
25日はICMIF会員サービス担当のリズ・グリーン氏が基調講演を行ったほか、参加会員からの取り組みの事例報告などが行われた。
愛媛県のJAおちいまばりは協同組合優良事例として「地域との共生を考えた販売戦略ー農協・農強・農教」を発表。日本の協同組合として地域に密着した農産物直売所や食堂、高齢化による離農や後継者不足について貸し農園などの取り組みを資料として提示した。
26日は群馬県のJA甘楽富岡を協同組合の取り組み事例として視察する。
※ICMIF(国際協同組合保険連合)は、1922年にICA(国際協同組合同盟)の専門機関として設立。ICAのもと、協同組合保険運動の国際的な発展を支援するための組織で、現在74か国290団体が会員。
※AOA(国際共同組合保険連合アジア・オセアニア協会)は、1984年にICMIFの地域協会のひとつとして設立。アジア・オセアニア地域の協同組合保険運動の発展を支援する。現在14か国47団体で構成。
(写真)挨拶をする勝瑞AOA会長、全労済・中世古理事長、200人が集まったセミナー全体の様子
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