日本初の「NPO融資制度」開発 社会的事業融資の実績を報告 近畿ろうきん2024年5月31日
近畿労働金庫は、2000年に国内金融機関で初となるNPO融資制度を開発。地域の社会課題の解決に取り組むNPO(非営利組織)等を一貫して支援しており、このほど2023年度における社会的事業融資の実績を取りまとめ、制度開発の経過や背景について報告した。
同金庫は、大阪市の認定NPO法人「Homedoor(ホームドア)」に対し、生活困窮者が一時的に避難・生活する住居(シェルター)の購入費用として、過去最大の3億円を融資した。同NPO法人は、コロナ禍で、ネットカフェ難民の若者など、相談者が増加したことを受け、廃業したホテルを購入し、シェルターを新設することを決め、資金調達の検討を進める中で、これまでに600件以上のNPO融資実績のある同金庫に相談を寄せた。
NPO融資制度「NPO事業サポートローン」が生まれた背景として、阪神・淡路大震災を機に、復興支援のためボランティア団体などの市民団体が数多く起ち上がったことがある。労働金庫は、こうした市民団体を「勤労者の生活を地域から支える重要なパートナー」と位置づけ、寄付を通じた支援や職員派遣など、様々な形で連携してきた。
そんな中、「非営利・ボランティア団体というだけで、銀行から口座開設や融資を断られた」という、多くの市民団体からの声を受け止め、近畿労働金庫は、東京労働金庫(現・中央労働金庫)とともに、国内金融機関で初となるNPO融資制度「NPO事業サポートローン」を2000年4月に制定した。
制度が制定された2000年代は、行政からの委託事業等の委託費や助成金が支給されるまでの運転資金として、つなぎ融資の問合せや利用が多くを占めた。その後、世間でNPOなどの市民活動への認知が大きく進み、行政からの委託事業費の概算払いや分割払いなど柔軟な対応が行われるようになり、各金融機関でも社会貢献性を加味した低利のNPO融資制度が次々開発されるようになった。
環境変化の激しい時代において、同金庫は「NPO融資の先駆者」として、これまで蓄積してきたNPO融資の経験やNPOとのネットワークを活かし、「中間支援NPOとの共同による経営指導」や「中間支援NPOを保証機関とする提携融資の推進」などを推進。労働金庫ならではの手法で、地域の社会課題の解決に取り組むNPOと、誰もが安心できる社会づくりに向けて取り組む。
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