加工方法で大きな差 健康になるコメとは 東洋ライス2019年10月29日
東洋ライスは、12月1日に開かれる第59回日本食生活学会で「糖尿病になるコメと健康になるコメの違い」について研究成果を発表する。これにさきがけ10月25日、都内でメディアに向けて発表会を行い、東京農業大学の客員教授で同社の雑賀慶二社長が説明し、同社で加工するコメの優位性をアピールした。
「最近はコメに対する風当たりがとてもきつい。米を食べると糖尿病や肥満になるという風潮で、ダイエットには炭水化物をカットした方がいいなどいろいろな説があるが、私たちの研究で糖尿病を治す米と健康によいコメの見分け方がわかった」と雑賀社長(写真)は切り出した。
厚生労働省の調査「国の医療費」によると昭和30年ごろにはほとんどゼロだった医療費が平成28年時点で約43兆円にまで膨れ上がっている。それに比例して糖尿病の患者数もこの60年で300万人にまで増えている(図1)。
その要因として自動車の普及と精米機の進化を挙げ、「運動不足と特に健康成分がほとんどなくなったコメを食べるようになったから」(雑賀社長)という。
雑賀社長によるとコメの健康成分には「酵素」が関わっている。今ほど精米機が発達していなかった昭和30年頃まで市販されていたコメには酵素を含む糠が残っていたが、精米機の改良が進むと糠をきれいに取り除けるようになった。同時に栄養成分の酵素もすっかり取り除かれ、「炭水化物しか残らないコメになってしまった」と雑賀社長。「コメの消費量は落ちているのに、健康に大切な酵素が除かれた真っ白な米を食べるようになってから糖尿病患者が増えている」と指摘する。
さらに、コメの精米段階によって酵素が含まれる糠の量が違うことを栗との比較で説明した(図2)。米が籾殻でおおわれている状態は栗ならイガで覆われた状態。そして籾殻を取った玄米は栗に例えると鬼皮に等しいロウ層がついた状態で硬く消化が難しい。そして、栗の鬼皮も渋皮にあたる部分も除いた状態が白米にあたり炭水化物しか残らない。
同社では酵素を残した米として玄米のロウ層を取り除いた「脱ロウ玄米」や、酵素が多い亜糊粉層を残した白米を展開。さらに、環境に有害な米のとぎ汁成分を肥料・飼料化し土壌菌を増やす肥料として同社が開発した「米の精」を施肥することで酵素の多い米を生産できるようになったという。雑賀社長は「食べやすくて最も健康にいいのは、酵素が多くなる栽培方法で作った米を酵素が多く残るように加工したコメであることを知ってほしい」とアピールした。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 栃木県2025年8月20日
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 香川県2025年8月20日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】暗号資産危機に日本はどう対応するつもりなのか 怪しげな仮想空間憂う2025年8月20日
-
富富富2万6800円、コシヒカリ2万6000円に 「精米5kg3000円台で買えるように」 全農とやま2025年8月20日
-
コシヒカリ2.6万円 全農あおもり、概算金の目安示す 「リスク取って集荷」2025年8月20日
-
魚沼産コシヒカリ3万2500円 全農にいがた、概算金決める 背景に作柄不安と集荷競争2025年8月20日
-
随契米 販売期間を延長 10万t未引渡し 農水省2025年8月20日
-
ぞうさん♪ぞうさん♪本当に作れるの?【小松泰信・地方の眼力】2025年8月20日
-
サザエさん一家の「もりのわ」話 吹き出しコンテスト 受賞作品決定 農水省2025年8月20日
-
「8月29日は焼き肉の日」キャンペーン 50人に飛騨牛1万円相当が当たる 飛騨牛銘柄推進協議会2025年8月20日
-
水稲栽培のメタンガス排出量・生育状況を調査 JA全農ひろしまと広島大学の共同研究2025年8月20日
-
酪農感謝祭2025開催 JA北宗谷青年部が豊富町で酪農PRイベントを実施2025年8月20日
-
「生産者応援キャンペーン」第4弾は「和牛」がお得 JAタウン2025年8月20日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(続報)NOSAI全国連2025年8月20日
-
季刊『うかたま』創刊20周年記念キャンペーン開催 農分協2025年8月20日
-
サブサハラアフリカのリン欠乏水田でコメ増収を実現 国際農研2025年8月20日
-
TICAD9 農林水産省セミナー「国際共同研究が育む未来」開催 国際農研2025年8月20日
-
賃貸経営の悩みに応える「空室対策セミナー」初開催 ジェイエーアメニティーハウス2025年8月20日
-
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん 輸入停止措置を解除 農水省2025年8月20日
-
持続可能な未来へ植物工場の可能性「第2回JPFA植物工場国際シンポジウム」開催2025年8月20日