日本穀物検定協会の新理事長に塩川氏 「米麦の安定供給の縁の下の力持ちに」2022年6月22日
日本穀物検定協会は6月21日に評議員会と理事会を開き、令和3年度決算などを承認するとともに新役員を選任し、新しい理事長に元農林水産省食料産業局長で同協会専務理事の塩川白良氏が選任された。
記者会見で抱負などを語る塩川白良新理事長
同協会の令和3年度の事業収益は、前年度に比べて6500万円増の40億4500万円となり、平成23年度以来の40億円台に達した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける部門で事業量が減ったものの、政府備蓄米の保管状況などを検査する「令和3年度政府所有米穀の販売等業務に係る実施状況の確認業務」の規模が拡大し、この業務だけで前年度の約8000万円から約1億5000万円に伸びたほか、MA米産地検査の分析項目の増加や政府所有米穀のカビ毒分析の点数が増えたことで伸びを確保した。
千葉県市川市の中央研究所など3つの研究所の集約に向けて、新たに埼玉県吉川市で進めている研究施設の建設に向けては、土地を確保して建設会社と詳細な設計を進めていることが報告された。ウクライナ情勢などによる資材の高騰で建設費の抑制に苦労しているものの、必要な機能を確保しつつメリハリのある設計を進め、来年の今頃に着工できる見通しであると説明された。
また、検査・検定部門では、国内農産物検査については、大口受検者が自前検査に移行したことで検査数量が減り、前年度を下回る実績となったものの、検査員の育成研修については、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じた上で研修会開催や講師派遣を行い、前年度を上回る実績となった。
一方、輸入米麦検査と検料については、輸入米麦ともに検査受注数量が減少し、前年度を下回る実績となった。輸入雑穀検定も主原料のとうもろこしについて、新型コロナウイルスの影響で輸入量が大幅に減少したことなどから前年度を下回る実績となった。
塩川理事長は、就任にあたって「最近のウクライナ情勢で国民の食の安全保障への関心が高まっている。国民の主食たる米麦の安定供給への縁の下の力持ちとなり、国民にあってよかったと思われる協会運営を進めていきたい」と抱負を述べた。
新しい業務執行体制は以下の通り。
▽代表理事 会長(非常勤) 井出道雄
▽代表理事 理事長 塩川白良(新任)
▽業務執行理事 本部総務担当 舟生潔(新任)
▽業務執行理事 本部業務担当 山下哲明(新任)
▽業務執行理事 本部検査担当 江渡浩
▽業務執行理事 本部研究担当 森田剛史(新任)
▽業務執行理事 関東支部長 木戸口充(新任)
▽業務執行理事 関西神戸支部長 武田勉
▽業務執行理事 中央研究所長 金丸直樹(新任)
▽監事(非常勤)佐々木慶雄(新任)
▽北海道支部長 小玉孝幸(新任)
▽東北支部長 武田光也(新任)
▽中部支部長 入江輝好(新任)
▽九州支部長 新崎和也(新任)
▽東京分析センター長 大島慎司(新任)
▽神戸分析センター長 高橋浩
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日