北海道・東北の今年産米のJA概算金は500円~1500円上昇 需給改善傾向と資材高騰考慮2022年9月12日
北海道と東北6県のJA全農県本部や経済連が示す2022年産米のJA概算金がでそろい、主な銘柄で500円から1500円引き上げられることになった。各JA全農の県本部などは、米の需給環境が改善傾向にあることや、生産資材の高騰などを考慮して判断したとしている。

各地のJA全農県本部などが公表された主力銘柄のJA概算金(60キロ当たり)は、▽北海道の「ななつぼし」が1万1500円(前年比+500円)▽青森県の「まっしぐら」が9300円(同+1300円)▽岩手県の「ひとめぼれ」が1万1000円(同+1000円)▽秋田県の「あきたこまち」が1万1100円(同+500円)▽宮城県の「ひとめぼれ」が1万800円(同+1300円)▽山形県の「はえぬき」が1万1000円(同+1000円)▽福島県の「中通り・浜通りコシヒカリ」が1万600円(同+1100円)となっている。
概算金の引き上げについて、各地のJA全農県本部などは、需給環境の改善基調や生産資材の高騰に配慮したことなどを理由に挙げている。JA全農いわては「7月に国の需給見通しで改善の方向が示されたことと米価低迷で農家の経営が厳しくなっていること、生産コストが上がっていることを考慮した」と話している。また、JA全農山形は「前年に2000円以上下げたので、今年は『引き上げた』というより『戻した』と表現している。在庫の状況などは楽観できないが、ウクライナ情勢などで資材が高騰している中、生産者の再生産が可能な形にしたいと対応した」と話している。一方、「あきたこまち」の引き上げ額が500円と他県よりやや低い水準にとどめたJA全農あきたは、在庫が多いことに加え、作付け転換が思うように進まなかったことを理由に挙げている。
岩手県盛岡市の大規模農家は、同県産の「ひとめぼれ」のJA概算金が1000円上がったことについて、「資材高騰で厳しい経営が続いているので概算金が上がったことは仲間の農家とともに喜んでいる。ただ、稲作経営がきちんと成り立つためには、1万3000円位はほしい。令和2年産米は、1万2000円以上だったことを考えると本音ではもう少し上げてもらうと助かる」と話し、引き上げを歓迎しつつも複雑な胸の内を語っている。
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