生産者が価格を提示 米の現物市場「みらい米市場」 10月16日開設2023年9月27日
米の現物市場を開設する新会社「みらい米市場(いちば)」は10月16日から取引をスタートする。9月26日に同社が明らかにした。
(写真右)出資者の東洋ライスの雜賀慶二社長。米の価値を高める市場に賛同して出資。医食同源米の考えが広がればと現物市場に期待する。隣は折笠代表取締役。26日、農水省内の農林記者会で説明会を開いた。
同市場は、米の生産者、集荷事業者、卸売業者、実需者などが参加者となって、オークション形式(競り)と買い手からの注文方式で米の売買ができるオンラインマーケットとして開設する。
生産者が自ら価格を決めて販売することができ、一方、実需者はニーズにあった米を探し売り手と価格交渉して調達できる市場をめざす。
当面は食用の玄米取引を対象とし、大口の業務用米の取引や酒米の契約栽培も取引できる。
オークション取引では生産者など売り手が、産地・品種銘柄、等級、競りのスタート価格と出品数量のほか、生産方法や食味関連指標などの情報も提示できる。競り期間も設定できる。
一方、買い手からのオーダー取引は希望価格と数量など条件を提示し売り手側と交渉する。
荷渡しは置き場渡しを基本とする。
また、産地・品種銘柄だけではなく米の品質や付加価値を評価し取引することもめざす。具体的には、環境に配慮して生産された米や、健康訴求、GAPへの取り組みや有機栽培米の取引も行う。環境対応ではホクレンの「みどりの北海道米チャレンジ」と連携し、健康訴求では東洋ライスが発起人となった「医食同源米によって我が国の国難を解決するコンソーシアム」と連携する。
27日以降、産地、利用者向けの説明会を開く。29日から10月13日までを市場開設前のユーザー事前登録期間とし16日から取引を開始する。ユーザー登録は同社が審査する。
登録料金は無料で利用料は10t未満の取引で販売価格の1%、10t以上の取引で同0.5%を徴収する。
同社は(公財)流通経済研究所が主体となり、出資者には大潟村あきたこまち生産者協会、神明、千田みずほ、東洋ライス、グレインエスピーのほか、金融系事業者からSBIホールディングス、東京商品取引所、米の先物取引の試験上場を行っていた堂島取引所などが参加した。資本金は8000万円で代表取締役には流通経済研究所の折笠俊輔氏が就任する。
ユーザー数は初年度で売り手100社、買い手100社の計200社を目標とし2万tの取引成約をめざす。
同社は取引結果から米市場の相場情報提供することにしているが、来年4月に関係者を集めた検討会を立ち上げ、公表方法などを協議し10月ごろに、品質・産地・品種・生産者属性別の参考相場表を公開する予定だ。
「完全オンラインでの取引、産地・品種銘柄以外の付加価値を評価した取引など、新しいことへの挑戦となる。米の価値を高める市場として試してもらいたい」と折笠代表取締役は話している。
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