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2016.06.30 
粉砕・添加を初めて一体化 中国工業の飼料用米給餌装置一覧へ

 水田フル活用による水田機能の維持と、自給飼料による持続可能な畜産生産基盤の確立に向けて、飼料用米の生産拡大が今後の日本農業の大きな課題となっている。新たな食料・農業・農村基本計画では平成37年に飼料用米を100万tにまで拡大することを目標とし、27年産では42万t程度まで増産した。ただし、この飼料用米を畜産農家がいかにコストダウンを図りつつ、高品質の畜産物生産の実現につなげるかが課題だ。それに応える注目の飼料用米の給餌設備が発売されている。農場の経営規模、求める畜産物の質などをふまえて機能を調整し、飼料米の「粉砕」と「添加」を一体で行う業界初の設備だ。

飼料タンクに取りつけられた「マイスター」。上部が「粉砕装置」、下部が「添加装置」 (写真)既存の搬送ラインの真上からマイスターの搬送パイプをジャバラホースでつなぐ 飼料用米は水田活用交付金などの政策支援のもと増産が進められているが、一方、畜産経営にとって飼料代は生産コスト全体の6割を占めるため、いかに飼料代を削減するかが経営安定の課題となっている。不安定な世界の穀物需給を考えれば輸入トウモロコシ依存から脱却し国産飼料用米を活用することは必要だが、同時に多様化、高度化する消費者ニーズに応え、さらに輸入畜産物との競争激化を見通すと、飼料用米を使用するにしても、コストダウンを図る効率的な使用方法を導入することは避けて通れない課題だ。
 飼料用米を畜産農家が直接、導入するには、▽モミ米や玄米などの飼料用米の貯蔵、▽飼料用米の粉砕、▽粉砕された飼料用米の配合飼料への添加、という工程が必要になる。現在もこれらの工程に必要な設備は提供されているが、粉砕機で180万円程度、添加機で数10万円程度が必要となるほか、飼料用米とそれを粉砕した飼料原料の貯蔵をどうするか、その設備も用意しなければならない。
 とくに飼料米を粉砕すれば、カビの発生や害虫のターゲットとなるなど、いわば「生モノ」となるため劣化が進むことになる。それをどう貯蔵するかは畜産農家にとって大きな負担となる。飼料米活用の必要性は理解しても導入コストがかなりかかってしまうことになる。
 こうした課題に応えるために開発されたのが 中国工(株)(本社:広島県呉市)の飼料用米粉砕添加装置「マイスター」だ。

◇   ◇

 「マイスター」は飼料用米の「粉砕」と「添加」を一体的に行う設備。既存の配合飼料搬送ラインに接続し、使う直前に飼料用米を粉砕し、ラインを流れる配合飼料に添加するという仕組みだ。 あらかじめ粉砕しておくのではなく使いながら粉砕していく。そのためそれほど高い粉砕能力を必要としないからその分コストダウンを図ることができる。これに添加機も一体化させたのが特徴だ。
 設備設置のイメージは、▽既存の給餌ラインの真上にマイスターの搬送パイプの落ち口が来るように位置を決定、▽そこに穴を開けて既存のラインにマイスターの搬送パイプを蛇腹ホースでつなぐ、というもの。既存の搬送ラインが動き出すとマイスターも連動して飼料用米の粉砕・添加を行うというシステムとなっている。この一体型は業界初だ。
 畜種は鶏、豚、牛とどれでも導入できる。というのも飼料用米の粉砕の粒度や添加割合などが畜種はもちろん農場経営者のニーズに合わせて設定できるシステムとなっているからだ。
 飼料米はトウモロコシと同等の栄養価があると分かっていても、それはあくまで家畜にしっかり吸収されてのこと。その吸収率を左右するのは飼料用米をどの程度、細かく粉砕するか、である。 マイスターはそれをレバー操作ひとつで調整することができる。たとえば、飼料米を半分、あるいは4分の1の大きさに粉砕すればいいという場合も、できるだけ細かく粉状にまで粉砕して配合飼料の原料としたいという場合でも、そのニーズにレバー操作で応えることができる。どれだけ細かくするかは単位時間あたりの粉砕量と相関するため、現在、同社は基本的な粉砕能力を備える3タイプを開発している。そのうち3号機(粉砕能力1時間あたり180kg)、2号機(同360kg)が実用化され、さらに粉砕能力が高い1号機(同540kg)の開発も行っている。 また、添加機には配合割合を変える機能を持たせている。単位時間あたりにどれだけ排出させるかで飼料用米の配合割合が決まるから「マイスター」では添加機のモーター回転数をインバーターによって制御することができる。混合する飼料用米の「質」(粒度)と「量」をともにニーズに合わせて調整することができる設備なのである。
 価格は3号機で100万円弱、2号機で120~130万円程度。また、一度に大量に粉砕しないため粉砕機の歯なども長持ちするメリットもある。同社は昨年12月に「マイスター」の名称も含めて意匠登録した。現在は養豚農場を中心に導入が進んでいるという。
 同社はFRP製の飼料用CFコンテナも製造している。これは形状が平型でフォークリフトでトラックに積み込むことができるコンテナ。場所さえあればそのまま屋外保管できるから屋根は不要。同社は地域内流通する飼料用米の輸送と同時にストックポイントにもなるとして「マイスター」を合わせて産地に提案していきたい考えだ。 

(写真)飼料タンクに取りつけられた「マイスター」。上部が「粉砕装置」、下部が「添加装置」
(写真)既存の搬送ラインの真上からマイスターの搬送パイプをジャバラホースでつなぐ

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