3年で販売量50%増めざす-フォンテラ・ジャパン2017年6月13日
ニュージーランド最大乳業メーカーであるフォンテラの日本法人、フォンテラ・ジャパンは現在、年間13万tの乳製品輸入量を2020年までの3年間で50%程度増やす。5月30日に初めての戦略発表会を開き、斎藤康博代表取締役社長が放牧酪農によるNZの強みを日本市場に提供していく方針を強調した。
フォンテラはNZ国内の酪農家が株主となって所有する酪農協同組合で1万500戸の酪農家が加入している。生乳取扱量は日本国内の生乳総生産量の約3倍にあたる2200万tで世界2位。全脂粉乳、バター、チーズ、乳タンパクなどの乳製品を年間450万t、140か国に輸出している。
日本市場には35年前から販売しており、前身の2社が2000年に合併してフォンテラ・ジャパンを設立した。輸入量は現在年間13万t。日本の輸入乳製品市場全体で乳タンパクの約40%、チーズで約30%を占める。売上げ高は650億円。
本国のフォンテラ社は協同組合。ただし、1人1票制ではなく乳固形分(牛乳から水分を除いた成分)1kgあたり1株としている。同社に集乳してもらうには生乳出荷量に見合った株式購入が必要だが、そのため飼養頭数の多い酪農家が議決権を多く持つことになり、役員は大規模経営者が占めるという。フォンテラ社は世界で5番目の売上げ高でNZ最大の企業として株式上場をしており、組合員は生乳出荷量に見合った株数より20%を上限に多く株数を購入できる制度となっており、その分で株の運用を行うこともできるという。
フォンテラ製品は日本でさまざまな食品産業を通じて使用されている。戦略発表会で斎藤社長はNZ酪農の強みである牧草のみの飼養で安心・安全な乳製品であることや、持続可能な農業生産であることなどを消費者に発信するため「グラス・フェッド」のロゴマークを提案していく方針を示した。
また、高齢者向け食品やスポーツ食品などへの販売拡大を図り、2020年には現在輸入量の50%程度増やし18万tを目標とする考えも示したほか、TPPについては11か国による早期発効を期待しているとした。
(写真)フォンテラ ジャパンの斎藤康博代表取締役社長
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