畜産環境問題の未然防止へ 長州産業とJETが業務提携2022年2月24日
微生物の分解能力を利用した急速発酵乾燥資源化装置システム「ERS」を製造・販売する株式会社JETは2021年12月1日、環境機器の据付・メンテナンスを手がける長州産業株式会社と業務提携。畜産による環境問題を未然に防止するため、メンテナンス体制を確保し、日本全国に販売エリアを拡張していく。
ERS導入イメージ
畜産農家や農業協同組合、地方自治体など地域の畜産に関わる関係者が共通して抱える悩みは、家畜排せつ物に起因する「悪臭」「汚水(地下水汚染)」「害虫」に対する地域住民からの苦情。農林水産省によると、これら3つの問題は畜産農家に対する苦情内容の約85%を占める。また、SDGsへの社会的な意識の高まりも背景となり、畜産業界においては、環境に配慮した家畜排せつ物を適正に処理する体制を整えることが求められている。特に畜舎や牧場を新設する場合は、処理方法について近隣住民へ丁寧に説明し、理解を得ることが、持続可能な事業に必須となる。
業務提携により長州産業とJETは、山口県酪農農業協同組合に、急速発酵乾燥資源化装置システム「ERS」を2021年12月に共同提案。山口県酪は、2022年から2023年にかけて畜産クラスター事業を活用した乳牛用畜舎の新設を計画し、家畜排せつ物の処理に最適な設備・装置を3年近く探し続けていた。ERSによる環境配慮型の畜産経営の実現には、2回に及ぶ近隣住民向けの新規牧場事業計画説明会においても、多くの期待が寄せられている。
一方、ERS導入後も既存の堆肥舎を継続的に使って固形堆肥を作りたいという山口県酪の希望に応えるため、従来の乾燥堆肥とは異なる液体肥料(ERS液肥)を成果物として、既存の堆肥舎でおが粉と今までの堆肥を混ぜ合わせることで固形堆肥を生成。これにより、発酵期間の短縮、温室効果ガスの抑制、汚水や悪臭の発生抑制に繋がり、ユーザーの環境やニーズに合わせた使い方が可能である点が評価された。
JETは、北海道から九州まで支店や営業所を持つ長州産業との業務提携により、メンテナンス体制を確保し日本全国に販売エリアを拡張。今後は、畜産業界の持続的な発展のため、住環境に悪影響を及ぼさない畜産経営と、環境に負荷のかからない糞尿処理、敷料再生による再資源化を促進するERSの普及を進めていく。
重要な記事
最新の記事
-
コシヒカリ(上)概算金、2.1万円を最低保証 「安心して生産できるため」 JAしまね2025年5月12日
-
概算金の最低保証2.2万円 米農家からの聴き取り参考に JA越前たけふ2025年5月12日
-
37年ぶりの国主催の国際園芸博 国民全員が「農」を考える契機に(1) 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年5月12日
-
群馬県で豚熱 国内99例目2025年5月12日
-
大豆の収穫量 25万2400t 前年比3%減2025年5月12日
-
「所得補償で農業守れ」 経済・財政分析から提言 農協愛友会で三橋貴明さん講演2025年5月12日
-
食品産業の農業参入割合 17% 除々に増加2025年5月12日
-
三重県肥料農薬委員会開く JA全農みえ2025年5月12日
-
千葉の農業者向け「高温対策オンラインセミナー」5月14日に開催 JA全農ちば2025年5月12日
-
「3-R体験会」第2弾の「田植え」 5月10日に広島県内の親子15組53人招き開催 JA全農ひろしま2025年5月12日
-
最新の農機・営農情報を紹介 7月5、6日に「ダイナミックフェア2025」開催 JA全農いばらき2025年5月12日
-
【JA人事】JA鳥取西部(鳥取県)中西広則組合長を再任(4月28日)2025年5月12日
-
相模原市と包括連携協定を締結 JA相模原市2025年5月12日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」着物姿で「蓬莱橋」観光 静岡茶も飲み比べ JAタウン2025年5月12日
-
好調の「あずきバー」販売4億本に向けアイス工場を新設 井村屋2025年5月12日
-
「雹で傷ついた梅を活かし、日本の梅文化を継承」梅ボーイズがクラファン開始2025年5月12日
-
「大戸屋やさいクレヨン」食育プログラム 横浜市内の6店舗で展開 mizuiro2025年5月12日
-
「あまやさい地産地消推進店」増加へ事業拡大 兵庫県尼崎市2025年5月12日
-
「JRE MALLふるさと納税」GAP認証農産物特集ページ新設 日本GAP協会2025年5月12日
-
「FOOMA JAPAN 2025」で光選別機や業務用加圧式IH炊飯機などを展示 サタケ2025年5月12日