夏の牛乳値上げ 認知者の7割が「酪農家支援」理由に受容「日本の酪農の実態認知に関する調査」2023年8月1日
(一社)中央酪農会議は7月14日~15日、日本国内の牛乳の購入者1030人を対象に「日本の酪農の実態認知に関する調査」を実施。この夏の牛乳の値上げの認知は約4割弱に留まるが、酪農家への支援などを理由に認知者の76.3%が値上げを受容していることがわかった。
同調査は、日常的に牛乳を購入している20代〜60代の男女1030人を対象に実施。その結果、この夏の「牛乳の値上げ」を認知している購入者は34.7%で、そのうち76.3%は値上げを受容。
牛乳購入者の68.2%が「日本の酪農経営の危機」を認知し、そのうち56.7%が「酪農の衰退」を心配している。
また、牛乳購入者の86.7%は「酪農家を応援したい」と答えた。
この結果を受け、(公財)日本農業研究所の矢坂雅充研究員は、「生産者と消費者のみなさん、行政が連携し、日本の酪農を支えていくことが求められています」とコメントしている。
牛乳購入者に聞く、酪農経営の認知状況
まず、日本の酪農家の経営が危機的状況にあることを知っているかと聞くと、20.9%が「よく知っている」、47.3%が「まあ知っている」と回答。
全体の68.2%が日本の酪農家の経営が危機的状況にあることを認知している。
知っていると答えた702人に、日本の酪農家の危機的状況を知ってどう感じたかと聞くと、「牛乳・乳製品の価格が上がらないか心配」(59.2%)、「日本の酪農の衰退が心配」(56.7%)、「酪農家の生活が心配」(51.7%)などの声が挙がった。
生活に直結する牛乳・乳製品の値上げだけでなく、日本の酪農の存続を心配する声が多かった。
この夏の牛乳の値上げを3人に1人が認知
次に、この夏に予定されている牛乳の値上げについて聞くと、34.7%が「値上げすることを知っている」と答えた。
また、乳価の値上げを知っていると答えた357人に値上げの理由となると思うことを聞くと、「飼料価格の値上がり」(84.4%)が最も多く、次いで「エネルギー価格の上昇」(64.6%)、「酪農家の経営難」(42.8%)の順となった。
値上げを受け入れる人の半数以上は「酪農家の支援」が理由
この夏の牛乳の値上げの認知
乳価の値上げを知っていると答えた357人に今回の値上げを受け入れられるかと聞くと、28.3%が「受け入れられる」、48.0%が「まあ受け入れられる」と答え、あわせて76.3%が値上げを受け入れられると回答。
値上げの受け入れ
値上げを受け入れられる理由は、「ほかの商品も値上がりしているから」(74.8%)に次いで、「酪農家の経営が苦しいから」(60.7%)を挙げ、半数以上が「日本の酪農を支える必要があるから」(53.3%)と答えている。
酪農家を応援したい牛乳購入は9割
改めて全員に、日本の酪農家を応援したいと思うか聞いたところ、86.7%が「思う」と回答。応援したいと答えた893人にどのような行動で応援したいかと聞くと、「牛乳・乳製品の購入量を増やす」(77.2%)が最も多く、次いで「牛乳・乳製品を使うレシピを活用する」(36.1%)、「酪農について調べる」(16.0%)が挙げられた。少数ながら「酪農について会話する」(6.8%)、ソーシャルの時代らしく「酪農についてSNSで投稿する」(6.0%)といった意見も挙がった。
牛乳購入者の9割が「国産牛乳」を選択、「安全」「おいしい」「新鮮」だから
日本国内の牛乳は、ほぼ国産品で占められているが、国産品と輸入品で選べると仮定した場合、国産品と輸入品のどちらが良いと思うか質問すると、78.2%が「国産品が良い」、13.2%が「どちらかというと国産品が良い」と回答。全体の91.3%が国産品を選ぶと答えた。国産品を選ぶ理由は、「安全性が高そうだから」(74.5%)、「美味しそうだから」(49.6%)、「新鮮そうだから」(43.8%)が上位に挙げられた。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日