ENEOSと乳用牛及び肉用牛を対象とするGHG排出量の削減に向けた協業を開始 デザミス2024年11月27日
デザミス株式会社とENEOSホールディングス株式会社は、乳用牛と肉用牛の飼養により発生する温室効果ガス排出量を削減するための協業を開始した。その第1歩としてJ-クレジット創出プロジェクト「クラウドデータを活用した乳用牛及び肉用牛の栄養バランス改善飼料の給餌プロジェクト」がJ-クレジット認証委員会により承認されたとした。
「クラウドデータを活用した乳用牛及び肉用牛の栄養バランス改善飼料の給餌プロジェクト」のしくみ
畜産業は、世界のGHG排出量の約14%を占めており、排出量の削減は気候変動対策における重要なテーマとなっている。日本では、2021年に農林水産省が「みどりの食料システム戦略」を策定し、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立を目標に掲げ、環境負荷の軽減や労働生産性の向上への取り組みを推進している。
このような背景をふまえ、デザミスとENEOSは、牛の排泄物管理の過程で生じるGHGである、一酸化二窒素(以下「N2O」)の排出量の削減を目的として、「クラウドデータを活用した乳用牛及び肉用牛の栄養バランス改善飼料の給餌プロジェクト」を開始した。同プロジェクトでは、生産者がアミノ酸バランスを整えた飼料を牛に給餌することで、牛の体内でタンパク質合成に利用されず排泄されるアミノ酸由来の窒素化合物を減少させ、排泄物管理の過程で生じるN2Oを削減する。デザミスはN2O排出削減量をJ-クレジットとして認証取得し、ENEOSは認証されたJ-クレジットをデザミスから購入する。デザミスは販売したJ-クレジットの収益を原資として、N2O排出削減量に応じて生産者への還元を行う。
N2O排出削減量の算定には、同プロジェクトの対象となる牛の頭数や飼養日数などのデータが必要となる。デザミスは、生産者向けの業務効率化・牧場可視化ツールとして、牛の首や耳に取り付けたセンサーが生産者に代わって牛の行動を観察し、クラウド上に行動データを記録するツール「U-motion」を提供している。同プロジェクトでは、生産者が日々の飼養管理に「U-motion」を活用し、デザミスが「U-motion」からN2Oの排出削減量の算定に必要なデータを抽出することで、生産者は負担なくN2O排出削減活動の対価を得ることができる。
今後は、全国の乳用牛・肉用牛を飼養する生産者を対象に本プロジェクトへの参加者を募り、取り組みの拡大を図る。デザミスとENEOSは、同プロジェクトを起点として、畜産IoTソリューションを活用した乳用牛と肉用牛の飼養により発生するGHG排出量の削減に貢献していくとしている。
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