特定家畜伝染病発生時の畜体処理「移動式レンダリング装置」を落札 JET2025年5月14日
急速土着菌増殖乾燥システムERSに関する事業を展開するJETは、令和6年度農林水産省の一般入札で落札した「移動式レンダリング装置」案件について、2月から納品のための確認試験を実施。要求条件を全てクリアし、3月24日に動物検疫所中部空港支所への納品が完了した。今後は豚熱・口蹄疫など特定家畜伝染病発生時に設置場所に出動し、迅速・安全に畜体を処理することで伝染病のまん延防止に尽くす。
移動式レンダリング装置全景(2月5日、JET撮影)
特定家畜伝染病発生時に殺処分された畜体は、原則として埋却または焼却処理が規定されているが、土地の確保、近隣住民の理解、地下水汚染、悪臭・害虫発生、さらには死亡畜体の運搬中の感染拡大リスクなど多くの課題を抱えている。
こうした課題解決に向けて、より迅速で安全な処理を担うのが「移動式レンダリング装置」で、設置場所へ出動してその場で加熱処理を施し、畜体の体積を減少する。移動式レンダリング装置は、全国の動物検疫所に4台配備されているが、感染拡大や連続発生などに備え、新たに一台追加配備されることになった。
今回の確認試験では、装置の組み立て、畜体の投入、加熱、取り出し、分注、装置の洗浄までの一連の工程を実施した。用意した牛の畜体は10トンを切断せずにまるごと一頭ずつ装置に連投し、2時間でスラリー化。畜体投入後の本体装置(ERS)の缶体内は80〜99度に到達し、動物検疫所が定める感染性の除去機能、処理能力、安全性など、すべての要求条件を十分に満たしていることが確認された。
畜体のスラリー化パターン
JETは急速発酵乾燥資源化装置「ERS(Environmental Recycling System)」を開発したプラントベンチャー。特許技術で微生物(主に装置設置場所付近の土着菌)を活性化させた「発酵・乾燥」により、悪臭や排水を出さずに高速で安全に処理を行い、処理後はバイオマス燃料や100%有機肥料などの資源として再利用することが可能となる。
これまでも民間の畜産農場に導入し、家畜の糞尿や卵、卵殻などから燃料、肥料、堆肥、敷料、飼料を生成する「循環型資源化システム」を構築。今回の確認試験でバッチ式での攪拌で80度〜99度まで加熱できることが確認され、この高い加熱処理能力により、「ERS」が移動式レンダリング装置として活用できることが証明された。
今回納品したJETの移動式レンダリング装置は、特定家畜伝染病が発生した場合、国からの要請により設置場所に出動し、畜体を加熱処理できる。
ERSには「発酵・乾燥」機能があり、その乾燥度合いを機械的にコントロールできることが特長。今回納品した移動式レンダリング装置は付属機能として「発酵・乾燥」機能が位置づけられているが、約4時間の発酵・乾燥処理を行い、含水率28.9%の生成物が得られたことも確認。水分の低減は、生成物の減容化・減量化に直結する。また、発酵させることで生成物の臭い問題を軽減することも期待できる。
同社は、ERS独自の発酵・乾燥技術により「埋めやすい・燃やしやすい・運びやすい」を実現することで、最終処理場への運搬作業の軽減、焼却炉の負担軽減など、多角的な貢献ができると考えている。また、ERS技術を通して、牛・豚、家きんの特定家畜伝染病処理の迅速化、感染防止に向けて新しい選択肢を提案する。
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