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【JA全農酪農部・深松聖也部長に聞く】(1)牛乳は必需品 国の支援も2024年1月23日

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飼料価格が高止まりして酪農経営が厳しいなか、牛乳類の安定供給のための全農による生乳の全国調整機能が重要になっている。最近の生乳需給の状況とJA全農酪農部の事業展開について深松聖也部長に聞いた。

JA全農酪農部長 深松聖也氏JA全農酪農部長 深松聖也氏

――生乳需給や酪農の現状についてお聞かせください。

1昨年11月と昨年8月の2度におよぶ飲用等向け乳価改定など、コストの製品価格への転嫁や、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりなどを背景に牛乳類の消費は長期間低迷しています。また、加工(乳製品)向け乳価においても昨年4月と12月に改定されたことで、同様に今後の消費に与える影響が危惧されています。乳価の改定により酪農家にとっては一時期の経営危機からは改善されたとの見方もありますが、配合飼料価格および輸入粗飼料価格、動力光熱費は依然高止まりの状況、また、子牛価格の低迷や従業員給与の確保など、経営継続にはまだまだ厳しい環境が続いていると感じています。

そのような情勢下、需給の均衡を図るべく取り組んだ生産抑制から、2024年度は北海道において生乳生産目標を23年度目標対比で101%と決定されました。ここ数年で全国的に離農が増加し、後継牛が減少している中でどれだけの増産が図れるのか、また、依然バターと脱脂粉乳の跛行性が広がった状況でどのように需給の安定を図るのか、系統外流通生乳が増加する中でどのように公平性と合理性、効率的な需給調整が行えるのかなど、関連する課題は山積しています。

今後酪農家の所得確保に向け、販売の視点で見れば、各用途の需要を確保していくことが大切で、特に牛乳を中心とした飲用需要の維持拡大や脱脂粉乳需要対策などが国内酪農産業の継続や消費者への安定供給において重要な要素になります。

――一方でコストを反映した適正な価格形成も課題ですね。

適正な価格形成に向けては、昨年農水省が検討の場を立ち上げ、適正価格に向けた環境整備推進会議の結果を受け、現在「適正な価格形成に関する協議会」と「飲用牛乳WG」が開催されています。酪農・乳業、流通、消費の各段階が介した会議の実現自体は各段階の実情を認識共有する意味で成果とも言えますが、急激なコスト上昇が酪農経営にダメージと将来不安を与えている状況に対し、具体的な帰結点を見出すに至っていないのが現状です。何らかの仕組みの変化が求められますが、需給の均衡や消費への影響などいくつかの課題やハードルに対しては国の支援も含めた検討が必要だと思っています。

また、取り組みとしても消費者に理解を得るためには生乳生産から販売までの各段階におけるコスト削減の努力を継続しつつ、酪農産業や牛乳乳製品の価値の向上にも連携協調できればと思っています。

急激なコスト変化に対し、合理的な生乳販売において工夫の余地がない酪農家の再生産可能な価格が一定の期間内に実現できるとのメッセージとなれば経営継続の判断や後継者への継承につながるのではと考えます。

――生乳需給が緩和するなか、全国需給調整機能を持つ全農酪農部の役割が期待されます。最近の事業展開ついてお聞かせください。

酪農産業はその製品が健康維持に役に立つ側面だけでなく、中山間地の活用や耕畜連携した資源の循環、地域の雇用やコミュニティ作り、子どもの教育などを含め地域経済を支えています。そういう意味でも全国47都道府県に酪農生産基盤を残していくことはとても大切だと考えています。

現在国内では北海道の生産ウエイトが高まっています。我々の事業においては先ほど申し上げました牛乳市場の安定を図るために安定した生乳の供給体制を維持していくことが大切です。需給調整機能を果たすための広域流通生乳と、一方では冬の非需要期に余乳処理を確実に実施できる体制づくりも必要です。つまり、しっかりと生乳を生産し夏場の需要を満たすためには、冬場の余乳処理体制も重要だと考えています。産地指定団体や乳業との連携を図り酪農乳業が結集し、その中で我々も役割を果たしていきたいと思っています。

――最近では「ミルクティー」などさまざまな商品開発にも力を入れ消費拡大を図っています。その狙いをお聞かせください。

牛乳の用途にはまだまだ多くの可能性があると思っています。学校給食や家庭で飲む牛乳だけではなく、いろいろな食品や飲料に牛乳を使ってもらい、栄養面でもバランスの取れた食生活に貢献できる強みを持っています。昨年はシーンや用途の拡大を狙って、様々なイベントの開催や他企業とのコラボも行いました。番茶フェスやアウトドアシーンでの活用、カルピスや伊藤園とのコラボ商品の販売、第4弾となる「ミルクティー」は全農だからできる素材の特徴を最大限生かし、情報発信と理解醸成も盛り込み、常温で9カ月のドライ商品として可能性も広がります。職員自らの理解とモチベーション向上に役立てていますし、酪農家を勇気づける商品になればとの想いも込めています。

その他、新宿で行った飲み比べイベントには予想をはるかに超える多くの牛乳ファンが集まり励みにもなりました。いずれもコロナ禍を機に始めたことばかりですがこれからも地道に活動を続けていけたらと考えていますし、着実に酪農や牛乳に関する消費者の理解は深まっていると感じています。

【JA全農酪農部・深松聖也部長に聞く】(2)コストの吸収課題 酪農理解が道開く へ

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