取り扱い高4兆8000億円 JA全農24年度決算2013年7月18日
JA全農は7月12日の経営管理委員会で24年度業務報告書(案)を決めた。26日の総代会で了承される。国産農畜産物の販売価格が低迷するなか、海外の異常気象や円安などで肥料・飼料原料や石油が高騰し農家経営にとって厳しい環境の1年だったが、取扱高は計画を超える4兆8000億円を達成した。
◆米の集荷減に歯止め
総取扱高は4兆8250円で計画比102%となった。
米穀事業では連合会集荷数量目標の300万tには届かず276万tだったが、23年産を上回り集荷減少に歯止めをかけた。販売では播種前契約や実需者直接契約の拡充やパールライス精米の販売拡大などによって、取扱高は計画比104%、前年比105%の7282億円となった。
園芸農産事業は、外食・中食業者、食品メーカーなどの取引先開拓などで加工・業務向け販売を拡大したものの、青果物の価格低迷で取扱高は計画比93%、前年比97%の1兆1016億円となった。
畜産事業は、農家手取りを向上させるこだわり商品の販売や輸出拡大、生産性を向上させる商品・技術の開発と飼料原料の安定確保のための産地多元化などに取り組み、取扱高は計画比104%、前年比102%の1兆638億円となった。
営農・生産資材事業は、低成分肥料(PKセーブシリーズ)の開発、共同開発水稲除草剤(AVH-301剤)、低コスト原紙の利用拡大、農機レンタルの普及など省力化と生産コスト抑制に取り組み、取扱高は計画比103%、前年比100%の8589億円となった。
生活関連事業のうち、石油事業はセルフSSの設置促進で3か年目標を達成し(802SS)取扱数量を増やしたことことや製品価格の上昇で計画比113%、前年比102%となった。一方、生活事業はデフレや個人消費の伸び悩みの影響で計画比95%、前年比96%。全体では計画比109%、前年比100%の1兆725億円となった。
◆経常利益は110億円
事業総利益は営農・生産資材事業の取扱増にともなう収益増があるものの、飼料原料価格高騰による収益減が影響し計画を下回る975億9200万円となった。 一方、事業管理費は全会的な経費削減を進めたことから、計画より39億円ほど多く削減し968億4900万円となった。このため事業利益は計画を上回る7億4200万円を確保した。 経常損益は貸倒引当金の繰入・戻入差などで計画を上回り、経常利益は110億7100万円となった。当期剰余金は計画70億円を上回る107億1100万円となった。
吉永正信専務は24年度決算について「原油価格が高くなるなどの要因はあるが計画をクリアした事業取扱高、事業利益は評価できる。当期剰余金も100億円を超え会員に対して責任を果たせた」と話す。 JA全農は今後対処すべき重要な課題として、▽25年度からの3か年計画で定めた「元気な産地づくりと地域のくらしへの貢献」、「国産農畜産物の販売力強化」、「海外事業の積極展開」の3大重点施策の着実な実践▽震災からの復旧・復興支援と原発事故による風評被害の払しょくに向けた放射性物質 検査体制の整備などによる安全・安心な国産農畜産物の提供▽食品表示など法令遵守態勢の確立、などを挙げている。
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