野菜の多様性を巡って、フォーラム2019年の活動スタート2019年6月25日
NPO野菜と文化のフォ-ラム
今野聰
◆31年目の総会で
NPO野菜と文化のフォーラムの第17期2019年通常総会は、去る6月21日、都内で開かれた。総会では、佐藤紳・農水省生産局農産部園芸作物課長が来賓挨拶。
その中で、日本国民にとって国産農産物総生産の30%を占める野菜が益々重要性を増していると指摘。しかも野菜消費の局面では、多くのコンビニにでも店頭扱いになりつつある時勢になったとも。一方、1人1日当たり野菜消費量目標350gに対して、今なお270gだという。この際、当フォーラムに一層の活動を期待したのだった。
総会の本題では、事業報告と収支報告と新年度活動方針を満場一致で承認した。(1)野菜産地研修(先進野菜産地・施設研修)、(植物工場視察)、(2)野菜特性研究(トウモロコシフォ-ラム)、(3)調理と、おいしさ研究(ピーマン)、(4)新機能性野菜の最前線シンポジウム)、(5)総会記念講演(野菜の状況と農業政策)などは、従来からの方針を引き継ぐ。なお総会記念講演は、山本隆司・農水省生産局野菜調整官だった(昨年は戸井和久・全農チーフオフィサ-)。
◆議案書のエッセンス
ここで、敢えて総会議案書の基本方針の重要な一部を引き写そう。
<当会は本年、創設31年を迎えることとなった。野菜に関する幅広い、時由な語らい場づくりからNPO法人として飽くことなく、「野菜と文化」を提唱された亡き江澤正平氏の意志をうけ、野菜を「食」として、「文化」として認識し野菜に係る研究者・流通加工者・調理者が集い、健康で美味しく安心・安全に野菜の消費拡大を趣旨のとしたさまざまな活動を行政(農水省)・種苗会社・関係する諸機関のご協力を頂き会員と共に歩んでまいりました。>
◆30年前の発足の頃
ここで私個人の思い出すことを少し触れよう。このフォーラムがスタートしたのは1988年春。前年の1年間、東京中央卸売市場で、人生の大半を生活した故江澤正平氏が設立アピールを各方面に働きかけていた。その結果、野菜関係専門家が集まったのが始まりだった。まとまった段階の1987年暮れ、私は全農大消費地販売推進部で江澤さんから御話を聴いた。
江澤氏はいう、野菜の専門家だけで、これからの野菜消費を巡って、生活の現場で日常的に野菜を調理し、食卓をつくる普通の女性がどうしても欠かせないのだと。ここが最大のポイントだった。そこに、1935(昭和10)年、東京の国鉄秋葉原駅前の東京中央卸市場神田市場が卸売市場法の傘下で働き、爾来半世紀。人々の生活と公設市場は密着して生きた。江澤さんの魂があった。90歳代の高齢で亡くなったが、毎週末、近隣の園芸産地を訪ねることを欠かさなかったのだった。
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