日本農業を最先端へ 神出全農理事長らが講演 農林中金食農ビジネスフォーラム20192019年7月5日
農林中央金庫とアグリフューチャージャパンは2日、東京・日比谷の帝国ホテルで「農林中金食農ビジネスフォーラム2019」を開催。食農バリューチェーン関連企業など約250社の関係者に向けてドローンメーカー、ナイルワークスの柳下洋社長や北海道・十勝で先進的な農業を営む前田農産食品代表の前田茂雄氏、また、JA全農の神出元一理事長などの講演が行われた。
ナイルワークスの柳下洋社長
ナイルワークスの柳下社長は、「空からの精密農業~日本の稲作を世界の最先端産業にする~」をテーマに講演。ドローンを使うことで農薬散布だけでなく、精密な生育診断システムにより、農薬をいかに使わずに農産物を生産するかという課題に取り組んでいるという。「ドローンを使って上から農作物を見ることにより、農業を科学することができる。工業製品と同じように科学的にコントロールすることが次世代の農業になるだろう」と語り、日本の農業技術を世界の最先端の技術にし、日本の農業から世界に発信していこというところまでめざすと話した。
電子レンジでポップコーンを作る前田農産食品の前田茂雄社長
小麦、とうもろこしの生産をしながら、国産初の電子レンジ専用ポップコーンを商品化するなど経営の多角化に取り組む前田農産食品代表、前田茂雄氏は、「未来の十勝農業の課題を先延ばしするな! 自らのお客様は誰か? に畑から応える実践事例」をテーマに講演した。地域の未来を支え、課題を解決するのが農業だという信念から、国際農業奨学金制度「ナフィールド」の日本の拠点となるナフィールドジャパンを立ち上げ、日本の次世代農業を担う農業経営者を育成するためのスポンサーを募っている。
ナフィールドは、オーストラリア、カナダ、ケニア、アメリカ、オランダなど全世界にネットワークを持つ。奨学生は2年間、旅をしながら世界中の農業者と交流。文化を含め互いに情報交換しながら、グローバルな視点で農業と地域の課題を解決できるリーダーを育成するプログラムだ。
前田氏は、「昔の遣唐使や遣隋使の農業者バージョン。農業はグローバルになっていく産業です。情熱を持った人、危機感を持って地域に課題を持ち、第一次産業を重要に考えている人、行動力と感謝の念を持った人間を奨学生に出していきたい」と語った。
JA全農の神出元一理事長
JA全農の神出理事長は、「全農自己改革の実践状況と今後のめざす方向」をテーマに5年、10年後を見据えて人手不足への対策や今後、全農が取り組む農泊事業について説明した。
食料需要の半分以上を輸入に頼り、農業産出額も減少傾向にある中、地域農業の生産振興と生産基盤の確立は欠かせない。そのために「生産性を向上させる新技術」「労働力支援」「ICTの活用」という3つの重点施策を挙げた。
中でも、深刻な人手、後継者不足解消の方策としてJAとJA全農おおいた、農作業受託会社の菜果野アグリの3者で実施している人材マッチングの仕組みを紹介。また、実際に大分県で実践されている農泊支援について説明し、JA全農が描く農業の労働力支援を核とした地方創生スキームを示した。
神出理事長は、「一次産業の振興と活性をエンジンにすれば地方創生はできる。そのカギとなるのが労働力支援。地域の人、物、雇用が動いていく構図をつくり、できれば新規就農まで持っていきたい」と語った。
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