JA新時代を切り拓く 第41回農協人文化賞表彰式とシンポジウム2019年7月5日
「農協運動の仲間達が贈る」農協人文化賞の第41回表彰式とシンポジウムが7月4日、東京都千代田区大手町の東京會舘で開かれた。受賞者を始め、JAの関係者など多数が出席し、受賞者の功績をたたえた。また、今回特別賞を受賞した作家の童門冬二氏による講演の後、受賞者の報告をもとにシンポジウムを行った。
今村奈良臣選考委員長から受賞者一人ひとり表彰状・盾・賞金を授与。
写真は福祉事業部門・梶山ゆかりさん
◆18人の功績をたたえて
今年の受賞者は営農事業部門6名、同部門特別賞1名、一般文化部門3名、福祉事業部門1名、経済事業部門1名、共済事業部門2名、信用事業部門2名、厚生事業部門1名、それに特別賞1名の合計18名。
主催の(一社)農協協会・佐藤喜作会長と、農協人文化賞選考委員長の今村奈良臣・東京大学名誉教授が、受賞者の功績をたたえ、それぞれの地域で農協運動のリードしてきた成果を次代へつなぐよう受賞者や出席者に訴えた。
表彰式にはJA全中の須藤正敏副会長、JA全農の久保田治己常務理事、JA共済連の歸山(きやま)好尚常務理事、農林中金の大竹和彦代表理事専務、全国厚生連の雨宮勇会長、新世紀JA研究会の八木岡努代表があいさつ。
JA全中の須藤副会長は、「この賞が農協人の仲間達が贈る賞であることに特別な意味がある。規制改革推進会議などから農協への厳しい批判があるが協同の力で自国民の食料をまかなってきた役割を国民・消費者にしっかり訴え続けることが大事だ」と激励の言葉を述べた。
JA全農の久保田常務理事は、ここ数年間、「今だけ、金だけ、自分だけ」という考え方をする人たちに振りまわされたが、協同組合は「長期的、多面的、利他的」という考えで行動していると農協の価値を指摘しながらお祝いの言葉を述べた。
JA共済連の歸山常務理事は相互扶助の共済の理念で活躍してこられた受賞者の貢献をたたえた。そして農林中金の大竹専務はそれぞれの地域、組織のリーダーとしての貢献を評価し祝意を表した。
全国厚生連の雨宮会長は、この賞が「農協人が仲間を推薦する賞で、人と人とのつながりを大切にする農協らしい賞であり特別な意味を持っている」と語るとともに健康管理、医療、高齢者福祉の原点を忘れてはならないとお祝いの言葉を述べた。
最後に新世紀JA研究会の八木岡代表がこの賞の選考委員の1人として、農協人の中の農協人を選考できたことを述べ、受賞者の功績をたたえた。
来賓の、右からJA全中 須藤副会長、JA全農 久保田常務理事、JA共済連 歸山常務理事、
農林中金 大竹代表理事専務、全国厚生連 雨宮会長、新世紀JA研究会 八木岡代表。
表彰式の後、特別賞を受賞した童門冬二氏が講演し「農協にはお金のつながりではない、人と人との心のつながりを持ってほしい」、農協役職員のみんなが地域に溶け込む「風度(ふうど)」を持てばJAがぴかぴか輝く。「原点に立つと、JAの主人は組合員、組合員のための奉仕者だ。だからといって無定限に従う奴隷になることではない。孔子が言った恕(じょ)が大切」などとJAへの期待を語った。
講演する作家・童門冬二氏
その後開いたシンポジウムでは、「食と農とくらしを守るJA新時代 農業協同組合が目指すもの」をテーマに、石田正昭・京都大学学術情報メディアセンター研究員の進行で各受賞者がそれぞれの体験や思いを報告。これをもとに意見交換を行った。
最後に、コーディネーターの石田正昭氏が総括し、「これから農協役職員や組合員組織のリーダーたちは毎日"縁"、つながりを起こしているか。その場としてのファーマーズマーケットを考えることが現実的にやりやすいと思う。ヨーロッパには教会の前にマルシェがあり"縁"をつくる文化がある。農協もいま准組合員規制など様々な攻撃にさらされているが、具体的に反論できるしくみがここにあるのではないか」と結んだ。
(なお、記念パーティーの様子は後日に)
農協人文化賞は、農業協同組合法施行30周年を記念して昭和52年に創設された。多年にわたり献身的に農協運動の発展に寄与した功績者を表彰するもので平成21年の創設30周年を機に、「農協運動の仲間達が贈る農協人文化賞」へと発展した。
今回の農協人文仮称受賞者は次のとおり(敬称略)。
【営農事業部門】
▽石橋榮紀(JA浜中町代表理事会長)
▽伊藤茂(JA松本ハイランド代表理事組合長)
▽尾﨑市朗(JAたじま代表理事組合長)
▽川津修(JA全農いばらき前本部長)
▽坂下栄次(JAこばやし代表理事組合長)
▽畠山勝一(JA秋田しんせい前代表理事組合長)
【営農事業部門特別賞】
▽故・甲斐久晴(JA延岡元営農経済部長)
【一般文化部門】
▽黒川俊継(JAおちいまばり代表理事理事長)
▽髙橋勉(JAいわて花巻代表理事組合長)
▽吉田濵一(JAあいち尾東前代表理事組合長・JA愛知中央会前会長)
【福祉事業部門】
▽梶山ゆかり(JA山口県宇部総括本部副本部長)
【経済事業部門】
▽廣瀬博三(JA香川県前経営管理委員会会長)
【共済事業部門】
▽石橋孝雄(JA足利代表理事組合長)
▽山本清志(JA岡山西前代表理事組合長)
【信用事業部門】
▽沖庄治郎(JAグリーン近江前常務理事)
▽山上一成(JA福山市前代表理事組合長)
【厚生事業部門】
▽若月健一(佐久総合病院老人保健施設元施設長)
【特別賞】
▽童門冬二(作家)
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