「くりこま耕英だいこん」ブランド復活へ JA新みやぎ栗っこ地区本部2019年9月27日
JA新みやぎ栗っこ地区本部栗っこ営農部では、かつて耕英(こうえい)地区で栽培されていた「耕英だいこん」の復活を目指し、2017年度から19年度の3年間で効率的な生産方式の実証を行い、産地形成と「耕英だいこん」ブランドの復活に向けた「高原大根再生プロジェクト」に挑戦している。
「耕英だいこん」の畑
耕英地区は、1947年に開拓が始まった地域。栗駒山の中腹にある高原で、夏でも涼しいため、平場だと10月以降に出荷されるダイコンが、8月下旬から9月の早い時期に出荷できる。
かつては40?50戸の農家が20haで栽培していた。しかし、高齢化が進み生産者は年々減少。さらに追い打ちをかけたのが、2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震だ。マグニチュード7.2の大地震で、宮城県栗原市では最大震度6強を観測し土砂災害が発生した。このため、「耕英だいこん」の生産は途絶えてしまった。
それを復活させようと、農協は3年前の2017年度から「高原大根再生プロジェクト」を開始。今年で3年目となる。
耕英地区にはダイコン農家が4?5戸残っている。同プロジェクトは、農家から農協が畑を借りてダイコンの栽培試験を行ってきた。ポイントは省力化のための機械化体系の確立だ。今までどおりならダイコンの生産者が増えることはない。
そこで種まきの機械化に取り組んでいるが、この地域の畑には小石だけでなく岩に近い大きな石も多く機械による種まきの障害となっている。
収穫後の洗浄作業
このプロジェクトに当初から携わってきた、栗っこ営農部園芸センターの三田忠彦センター長は、「新たに通いで1人の生産者が耕英地区でダイコンの生産を始めた。この地区では、8月下旬という早い時期にみずみずしく、甘いダイコンができる。今でも引き合いがあるので、ぜひ『耕英だいこん』ブランドを復活させたい」と語る。
だが課題もある。「近年、温暖化が進み、栗駒高原も日中の気温が高く、害虫や病気も出るようになってきた。『耕英だいこん』は耕英地区で生産されるダイコンのブランド名であって品種名ではないので、温暖化に強い新たな品種を探している」という(三田センター長)。
なおも栗っこ園芸センターのブランド復活への地道な努力を続いている。
重要な記事
最新の記事
-
【現地レポート・JAの水田農業戦略】新たな輪作で活路(2)子実コーンの「先駆者」 JA古川2024年3月29日
-
農業者所得増加へデジタルビジネス加速 農林中金 中期ビジョンを策定2024年3月29日
-
「子ども世代に農業勧めたい」生産者の2割 所得向上が課題 農林中金調査2024年3月29日
-
東京・大阪で組合長らが 「夢大地かもと」スイカをPR JA鹿本2024年3月29日
-
全国から1,000名を超える農業の担い手が集う 「第26回全国農業担い手サミットinさが」開催 佐賀県2024年3月29日
-
家族みんなで夏の農業体験はじめよう 食農体験イベント「土袋でデコきゅうり」開催 JA兵庫六甲2024年3月29日
-
(377)食中毒1万人は多いか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年3月29日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第96回2024年3月29日
-
【人事異動】全国農業会議所(4月1日付)2024年3月29日
-
品種で異なるメロンの味わいを体験 自由が丘「一果房」で29日から 青木商店2024年3月29日
-
第160回勉強会「レジリエントな植物工場運営・発展に向けて~災害からの復旧・復興事例から学ぶ」開催 植物工場研究会2024年3月29日
-
創立55周年記念 ガーデニング用 殺虫・殺菌スプレーなど発売 住友化学園芸2024年3月29日
-
「核兵器禁止条約」参加求める26万の署名 藤沢市議会が意見を採択 パルシステム神奈川2024年3月29日
-
尾鷲伝統の味「尾鷲甘夏」出荷開始 JA伊勢2024年3月29日
-
令和6年能登半島地震 被災地農家を応援 JA全農石川へ寄付 KOMPEITO2024年3月29日
-
林木育種センター九州育種場 九州育種基本区の「スギエリートツリー特性表」公表 森林総研2024年3月29日
-
農業フランチャイズのクールコネクト シードラウンドで3200万円を調達2024年3月29日
-
鳥インフル 米メイン州からの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年3月29日
-
畜産施設の糞尿処理で悪臭対策 良質な堆肥化を促進 微生物製剤を開発 B・Jコーポレーション2024年3月29日
-
水田のスマート水管理で東大大学院農学生命科学研究科と共同研究開始 ほくつう2024年3月29日