「全ての組合員組織をJA基礎組織に」 JCAシンポで石田・三重大名誉教授が提言2022年3月23日
日本協同組合連携機構(JCA)は3月17日、「JA女性組織の未来」について考えるシンポジウムを開いた。このなかでJCA の「今日的なJA女性組織のあり方研究会」の座長を務めた石田正昭・京都大学学術情報メディアセンター研究員(三重大学名誉教授)は、いまの組合員組織の全てをJAの「基礎組織」に転換することなど、女性組織の活動を活発にするための方策を提言した。
JA女性組織のあり方を探ったシンポジウム
シンポジウムは、JCA の「今日的なJA女性組織のあり方研究会」の研究を取りまとめた『女性組織の未来~ 躍動へのグランドデザイン』の出版を記念して開いた。「JA女性組織の未来を考える」のテーマで記念講演した石田教授は、JA女性組織の問題点として、①農村女性の「一歩ひく」姿勢(ジェンダー不平等)、②女性組織メンバーの当事者意識の不足、③JAの女性組織育成の方針の不徹底―を挙げる。
そこで、この問題を解決するキーワードとして、JAを「男の組織」から性・年齢で区分しない「人の組織」に変えていくことを提案。人の組織とは、人と人がつながり、地域が求めている活動を行うことで、自分も喜び、他者も喜ぶ関係のことで、同教授はこれを「活私開公」と名付け、そのため一緒に活動することを「協働民主主義」としている。「協同」との違いは、みんなが「同じ」になる必要はないという意味がある。
総代や理事を選出するJAの基礎組織は集落組織、活動目的別組織(生産者部会や助け合い組織など)からなるが、いずれも「男の組織」としての性格が強く、女性組織は、いわば「協力組織」として位置付けられている。石田教授は「女性組織だけでなく、すべての組合員組織を基礎組織に転換し、総台枠・理事枠を設けることなどを提案した。
このほか、①活動のコアとなる2割のメンバーを大切にし、コアのステップアップを制度化する、②現行の営農指導・生活指導部署を統合し、「組合員活動部」と設ける、③担当職員の資質向上を図るーーなどを挙げた。
ディスカッションでは、石田教授のほかJA全国女性組織協議会の洞口ひろみ会長、長野県のJA松本ハイランドの田中均組合長、JCAの小川理恵主席研究員が参加。洞口会長、小川研究員は女性部活性化のため、活動のマンネリ化を避けるため、積極的に声掛けを行い、これまでと違ったサークル活動を展開する必要があると指摘した。
また田中組合長は、支所活動の重要性を改めて強調。とくにJA松本ハイランドは、支所の運営委員会とは別に「支所協同活動運営委員会」を設けた。地区担当理事が運営し、テーマによって必要なメンバーが参加して活動できるようにした。
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