病害虫雑草診断 地図上に「見える化」 JA全農と日本農薬 システム連携で協議開始2023年4月19日
JA全農は日本農薬が提供するスマホ用アプリ「レイミーのAI病害虫雑草診断」(以下、「レイミー」)の診断結果を営農管理システム「Z-GIS」上に表示し、営農情報とあわせて病害虫雑草の発生状況を地図上で把握できるシステム連携で協議を開始することに合意した。連携によってJAグループの営農支援体制の強化をはかる。
日本農薬の谷元忠執行役員国内営業本部副本部長(左)とJA全農の山田正和耕種総合対策部長
生産者の判断をサポート
日本農薬は生産現場で防除を提案、指導する人員が減っているなか、生産者自ら病害虫と雑草を特定し的確に農薬を選択して防除するツールが求められているとして、2015年から検討を開始、2020年4月、NTTデータCCSと共同で開発した「レイミー」をリリースした。
アプリは無料。当初、対応作物は水稲だけだったが、その後、野菜、果実を追加し今年3月末で19作物まで拡大した(※)。診断可能な病害虫と雑草種も随時拡大している。
アプリのダウンロード数は10万回を突破、参画メーカーも日本曹達、日産化学、三井化学クロップ&ライフソリューション 、エスディーエス、丸和バイオケミカルの5社が加わった。
昨年秋にはインド、ベトナム、台湾、韓国で海外専用の診断アプリをリリース、英語と現地語で利用できる。「レイミー」は日本の農場で働く外国人労働者が利用することも視野に入れ多言語に対応している。
使い方は、まず診断してもらいたい作物と、病害虫か雑草かを対象を選択する。虫や雑草など対象物を撮影するとAIが診断し、最大5つの回答を提示、そのなかから「これだと思う」答えを選択すると履歴に残る。
その後、診断結果に基づき防除に有効な6社の農薬が表示される。診断履歴を保存する機能もあり、どのほ場でいつどんな病害虫と雑草が発生したのかを記録できる。
診断方法はAI診断だけでなくカルテ式診断も選ぶことができる。撮影した画像とアプリ内の図鑑を見比べながら自分で特定する。同社によるとAIというものは完璧ではなく間違うこともあり、そう感じたときに別の手段で答えに辿り着くために開発したという。
同社スマート農業推進室の谷口健太郎専任課長は、このアプリで記録されたデータについて「翌年、早期に的確に防除するための備え」と話す。実際、病害虫雑草の診断ができる状態とは、防除が手遅れになっている場合があるため、「防除の失敗」の記録を翌年に役立てることになる。
「防除対策では予防、予察が重点になっているなか、ほ場ごとの対策に活用できる」と同社執行役員で国内営業本部の谷元忠副本部長は話す。
Z-GISの機能強化へ
一方、全農はZ-GISをプラットフォームとしてさまざまなスマート農業機器のシステムを生産者やJAがシームレスに利用できる環境をめざして外部との連携などで環境整備を進めている。
今回の連携は画像による病害虫雑草診断データをZ-GISのほ場地図上に「見える化」するもの。今後、データ形式を整備してネットワークをつくっていく。
「レイミー」は複数ユーザー同士での情報の共有はできないが、Z-GISと連携することで、たとえば農業法人のメンバー間で農場全体の情報を共有することができる。
また、Z-GISの「親子機能」を使って生産者とJAの間で情報共有すれば、JAにとっては地域の病害虫雑草の発生状況を把握することも可能になる。
JA全農の耕種総合対策部の山田正和部長は「農作業中でも常にスマホを持つ時代。作業履歴も記録でき労務管理にも役立つなどポテンシャルを持っているアプリ。連携におおいに期待している」と話す。
「レイミー」のユーザーからは「早く連携を」との声が届いているといい、両者は早期の連携実現に向けて協議をしている。
※「レイミー」の対応作物(2023年3月末)
水稲、キャベツ、はくさい、ブロッコリー、だいこん、かぶ、カリフラワー、こまつな、チンゲンサイ、レタス、ばれいしょ、たまねぎ、ねぎ、トマト、きゅうり、なす、いちご、りんご、かんきつ。
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