国産梨花粉供給事業化へ 中国産輸入停止に対応 3年後全国展開めざす 千葉・JAいちかわ2024年2月27日
千葉県JAいちかわは梨花粉採取・販売事業に本格的に乗り出す。中国で火傷病が発生して輸入できなくなった受粉用の花粉を自賄いする。今後花粉採取専用ほ場を確保し、管内の梨生産者へ供給するとともに、2027年度をめどに生産体制を整え、全国展開する考えだ。
あいさつする今野組合長
千葉県は日本一の梨の生産地で、主に同県西部、東京都に接するJAいちかわ管内で生産されている。主力の市川市と船橋市合わせて約300の農家で500ha余りの梨園がある。
普通、梨の受粉はミツバチを使うが、温暖化によって梨の開花が他の種類の花と重なるため効率が悪くなっている。また花粉採取に多くの人手がかかるため、中国産の輸入花粉を使う生産者が増えていた。
その中国で昨年8月。果樹の大敵である火傷病が確認され、花粉の輸入が停止したため受粉用の花粉の確保が喫緊の課題となった。もともと同JAでは1965(昭和45)年から花粉銀行を設け、生産者が自家採取した花粉を保管する支援を行ってきた。
花粉採取事業は、それをさらに拡充して生産者の支援を強化する。計画では船橋市と市川市の2カ所にそれぞれ40a、20aの花粉採取専用ほ場を設置する。今後、花粉の多くとれる品種やネパール産の梨などの導入も予定している。また、生産者から剪定枝を集め、JAの施設で加温し、人工的に開花させて花粉を採取する。
当面は管内の生産者への供給を中心にするが、3年後の2027年までには軌道に乗せ、全国販売に持ち込む計画だ。2月26日同JAが開いた説明会で、今野博之組合長は「労働力不足で梨生産の縮小を考えている生産者には花粉を専門とする経営も考えられる。全国の梨産地の花粉事業に対する関心が高く、儲かる農業として花粉ビジネスを確立させたい」と抱負を語った。
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(1)養豚農家に寄り添い疾病を防ぐ クリニック北日本分室 菅沼彰大さん2025年9月16日
-
【石破首相退陣に思う】戦後80年の歴史認識 最後に示せ 社民党党首 福島みずほ参議院議員2025年9月16日
-
【今川直人・農協の核心】全中再興(6)2025年9月16日
-
国のプロパガンダで新米のスポット取引価格が反落?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年9月16日
-
准組合員問題にどう向き合うか 11月15日に農協研究会開催 参加者を募集2025年9月16日
-
ファミリーマートと共同開発「メイトー×ニッポンエール 大分産和梨」新発売 JA全農2025年9月16日
-
「JA共済アプリ」が国際的デザイン賞「Red Dot Design Award2025」受賞 国内の共済団体・保険会社として初 JA共済連2025年9月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」北海道訓子府町で じゃがいもの新品種「ゆめいころ」を収穫 JAタウン2025年9月16日
-
山形県産「シャインマスカット」品評会出品商品を数量限定で予約販売 JAタウン2025年9月16日
-
公式キャラ「トゥンクトゥンク」が大阪万博「ミャクミャク」と初コラボ商品 国際園芸博覧会協会2025年9月16日
-
世界初 土壌団粒単位の微生物シングルセルゲノム解析に成功 農研機構2025年9月16日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(適用地域追加)NOSAI全国連2025年9月16日
-
農薬出荷数量は1.3%増、農薬出荷金額は3.8%増 2025年農薬年度7月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年9月16日
-
林業の人手不足と腰痛課題解消へ 香川西部森林組合がアシストスーツを導入 イノフィス2025年9月16日
-
農業支援でネイチャーポジティブ サステナブルの成長領域を学ぶウェビナー開催2025年9月16日
-
生活協同組合ユーコープの宅配で無印良品の商品を供給開始 良品計画2025年9月16日
-
九州・沖縄の酪農の魅力を体感「らくのうマルシェ2025」博多で開催2025年9月16日
-
「アフガニスタン地震緊急支援募金」全店舗と宅配サービスで実施 コープデリ2025年9月16日
-
小学生がトラクタ遠隔操縦を体験 北大と共同でスマート農業体験イベント開催へ クボタ2025年9月16日
-
不在時のオートロックも玄関前まで配達「スマート置き配」開始 パルシステム千葉2025年9月16日